系統について part1
2013/11/13 (水)

harenotikumori.gif  さて深海君は系統が気になるようですから、自論を交えて簡単に載せようと思います。

 確かに環境や栽培方で、更に栽培者個人の力量で咲き方には千差万別の十人十色。完璧はそうそうあるものではないがその完璧には近づきたいのが人間です。
 しかし、抗えないのが相手取る「菊」自体の変化や変異。こうなれば元の状態のを探すのは不可能よりも根気がいる。恐らく実生園でもその変化や変異は敏感に思っているかと思います。また国華園のように有能な品種は農水省に種苗法に基づいた登録をしているのです。だから500円から高額な品種とが分けられているのだ。ここまでは当たり前のことです。でもこの種苗法の登録に「品種の固定」つまり登録時の遺伝子的変異が無いことが条件のようです。変異が価値を大きく変えることがある、逆にその変異が好都合になることもあるけど、大体は劣化や本来の姿にならなくなること。出来るだけ多くの株を作り、本来に近い姿を残すことも躍起になっているはずです。
 度々見られるダリア咲きが劣化または変異の現れと思っている。同じ株が2年3年と変わらず、毎年環境を変えてもそのままならはっきりと言ってダメでしょう。これはこれで良いと言う人はそれでも良いが、自分はダメです。品評会という舞台に出すことに目覚めれば処分も致し方が無し。限られたスペースや時間を考えると篩にかけられるのも現実です。きっぱりと腹をくくるのも大切だ(ちょっと前にも言った)。

 実際の変異はどのようなものかは愛読書(図書館)の「キクをつくりこなす 大石一史 著(農文協)」に載ってます。本書97ぺージ(元親株づくり2p目、刷によって変わる)にモノクロ写真つきで変異がある。内容は出荷用の輪菊ですが観賞用にも融通が利くと思う。恐らく変異は載せたこと以上に様々存在すると思う。あくまでも一例。
 枝変わりは都合が良い変異でもあるのは言うまでもないが増やすまでが大変。でもおいしい話ばかりではない、都合の悪い変異が多いと思う。怪しいものは捨てるべきと残酷な選別をするのも愛が故、実際大会の出品に選ぶときも残酷な選別と思っている。

 
北の園芸士の「世界一適当な植物園」
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