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2016/08/13 (土)

私がコンクリートミキサーで1度に作れる土麹「根茂土」は約50リットル・・・・その中に大きな大きな重要な秘密が隠されています・・・

それは土麹「根茂土」の主原料で合わせて50パーセント程混ぜ込む粉状のゼオライトとベントナイトにはナノメートルほどの小さな穴がジャングルジム状の形で形成されていてその穴に肥料のアンモニアイオン等が引き付けられるのですがその値は驚異的に大きく(これを塩基置換容量と言うのだが・・ベントナイトで100グラム当たり100Mg、ゼオライトで160Mg、と言う大変に大きな値です)

その塩基置換容量(肥料を捕まえて置く力)の大きな優れた「根茂土」のパワーを更に大きく引き出すのがこの中に驚異的な数で住み着く有用な微生物なのです・・・

私は実際には数えたことはないが・・・・・理論上、1つまみ(1グラム)の土麹「根茂土」には5億〜10億もの有用な微生物が住み着いている・・・・はず・・・・特に驚くことではない・・・・・大部分の方が冬〜春に油粕等で作るボカシ(乾燥肥料)を作る時に温度が60℃程に上がった場合にはそのボカシ1グラムの中には5億以上の微生物が住み着いていることになる・・・・しかしいくら有用微生物が多く住み着いていても100%ボカシだけの中には定植は出来ませんが・・・
(もちろん、私も、土麹「根茂土」100%で定植はしない、せいぜい培養土の中に1〜3割混ぜるだけ、しかしそれでも培養土1グラムの中には5000万〜1億前後の有用な微生物が住み着く、・・・・それで十分最高の培養土になる)

一般の菊栽培家の培養土1グラム当たり有用な微生物が100万〜500万ぐらいは住み着いているはず、茎葉の生育が素晴らしい名人級の方々の培養土1グラムの中には1000万くらいの放線菌、酵母菌、糸状菌が含まれていると思われ、それらが培養土の中の肥料分やミネラルを菊が吸収できる形に変えてくれて菊の生育を手助けしていると思われる・・・(菊の根だけでは肥料分・・・特に土に捕まえられている窒素やリン酸、用土や肥料として施肥する多くのミネラル等は微生物の力がないと菊の根の力だけでは上手く吸収できない)

お粗末な土で栽培していると、いくら高級な肥料を使っても良く育たないのです・・・・

なぜ、土麹「根茂土」には多くの有用な微生物が多く住み着いているのか?・・・・・・・

その1つは、その中に数パーセント混ぜ込む微生物の餌になる特製乾燥肥料や米ぬかも重要なのですが土の中に微生物の住み処を通常の用土の何万〜何十万倍も多数用意してあるからです・・・・それもとびっきり住み心地のよい上等な住居をです・・微生物の住み処には小さな小さな無数の穴のある資材が最も重要なのです・・・
・・・・・人間社会で例えるととても住み心地の良い超豪邸・・または・・億ション?(笑)

土麹「根茂土」にはヤシガラから作った2種類の活性炭パウダーを合わせて1リットル・・・・1種類目の活性炭パウダーの重さは500ミリリットルで160グラム そこに2種類目の活性炭パウダー500ミリリットルを加えると460グラム・・・・
2種類目の活性炭パウダー500ミリリットルで300グラム・・・

更に今年は培養土を調合する前にもみ殻培土や。もみ殻燻炭、ススキ培土、ベラボン等炭素率の大きな資材に、土麹「根茂土」と再々発酵土麹を5割ほど混ぜて寝かせて60℃以上の温度が15日程維持して有用な微生物が充分に増殖した物を定植用培養土の調合時に5割程使った・・・・・それでこの定植用培養土1グラムの中には2〜5億前後の驚異的な有用微生物が住み着いているとの確信がある・・・・


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此処からは昨年の日記から・・・

私の培養土は他の方より極めて優れたものを使っていると自負しているのでこれから50日程で目を見張る生育をしてくれるものと期待している・・・

それは科学的見地からも最高の資材を使い大変手を掛けて塩基置換容量の大きな良質な土麹根茂土やサンシャイン・ハイポストを作りそれらを合わせて30パーセントも混ぜ込んだ培養土を使っているからなのですが・・・・

私の培養土に使っている土麹根茂土やサンシャイン・ハイポストは塩基置換容量(CEC)の値が極めて大きいと良く書くのですが、塩基置換容量(CEC)は、陽イオン交換容量(CEC)ともいいますが、それを詳しく書いてみます。

培養土が養分を保持することができるのは陽イオン交換作用によるのです、陽イオン交換作用というのは、土に施用された肥料成分の中の陽イオンが、あらかじめ土の表面にあるマイナス電荷の手に保持されていた水素イオンH+、やカルシウムイオンCa2+、などと交換され土壌に保持されることです。

土に保持されるのはカルシウムイオンCa2+・マグネシウムイオンMg2+・カリウムイオンK+・ナトリウムイオンNa+・アンモニウムイオンNH4+・水素イオンH+などです。

一定量の土が保持できる陽イオンの量を陽イオン交換容量(CEC)といい、その量の多い土(CECが高い)ほど養分を多量に保持できます、また保持された陽イオンのうち、H+以外の陽イオン(塩基)の占める割合の高い土ほど養分を多く保持している土といえます。

一般に砂質の土は養分が流失しやすく、粘土質の土では流失しにくいのですが、これは大きい土の粒子(砂質の土)は塩基置換容量が小さいのに対し、粘土は塩基置換容量が大きいことを示しています。

粘土の中でも直径が0.002mm以下の粒子(コロイド)は養分を保持する能力が高くなります、そのために粘土は塩基置換容量が大きいのですが、なかでもモンモリロナイト(ベントナイト2:1型鉱物の代表)、はとくに大きく、CECは乾土100g当たりのmg当量(me)で表され、1meは約6×(10の20乗)個のマイナスの手を持っている事を示すのですが、ベントナイトは100me/100gもの値なのですが、一般の田土ではその10分の1ほどの10me/100g〜15me/100g程の値が普通です。

ベントナイトはホームセンターなどでも猫の固まるトイレ砂としてとても安く販売されているので手に入り易いのですが菊作りに於いてはそのまま用土に混ぜて使う事は危険です、それはPH11と強いアルカリ性なのでそのまま用土に混ぜると弱酸性の土で育つ菊には大きなダメージになります、ピートモスや腐葉土の微塵などと練り直すという様な方法で少々手を加えれば利用できる良質な粘土ですが、粘土以外でも塩基置換容量(CEC)の値が極めて大きい物があります。

その1つがゼオライトです、沸石と言う岩石を熱処理後粉砕したもので、塩基置換容量(CEC)の値が120me/100g〜150me/100gほどの大変大きな値が保証されています、土麹根茂土、サンシャイン・ハイポストには微粉のゼオライトと微粉のベントナイトがともに2〜3割ほどづつ練り込んであり保肥力が極めて大きい用土と言えます・・

2つ目には、菊作りに多く使われる腐葉土等が分解されて出来る腐植も塩基置換容量が極めて大きく腐植の成熟した腐植酸は塩基置換容量が300me/100g〜500me/100gと大変大きくなっています、腐植は粘土と結びついて粘土腐植複合体となって養分を保持する形になっています。

しかし、たとえ数値が高くても菊作り用土として菊の木作りをすると言う観点から機能していない場合があります、それは、CECの数値は塩基吸着の量的比較はできるが、塩基吸着の強度自体を表示したものではないからです。

CECは窒素、石灰、苦土、加里のいれもので、CECが保持する肥料成分割合は、窒素20%、石灰50%、苦土20%、加里10%です。
(塩基飽和度は石灰50%、苦土20%、加里10%をいう)

ここで大きな問題は培養土の中のリン酸です、リン酸は陰イオンですが、他の陰イオンのように溶脱されることはありません、しかし菊による利用率は低いので、普通の施肥量ではほとんど菊には吸収されないこともあります、特に酸性土や火山灰土の赤玉土等には鉄やアルミニウムが多く、反応性に富んでいるためリン酸イオンと反応して不溶性の化合物となっています、このため酸性土や赤玉土ではリン酸の肥効が悪いといわれます、これをリン酸の固定あるいはリン酸の吸収といいます。

リン酸の固定量を表すにはリン酸吸収係数が用いられ、100gの土が固定(吸収)するリン酸のmg数で表されます、火山灰土はりん酸吸収係数が2000以上もあり100sの赤玉土があるとすれば2kg以上のリン酸が固定されることになります。

そのために、関東ローム層と言われる火山灰土である、赤玉土を菊作りに使う場合には、多くの方がその害を少なくするために、冬の間に麹処理をしているのですが、表面をコーティングするだけなので、実際にはリン酸吸収係数を大幅に下げる事は出来ないと言われます。

(土を電子顕微鏡でナノメートル程の世界まで拡大すると丁度ジャングルジムの様な構造になっていて、土麹処理をした赤玉土はジャングルジムの外側の角の部分の性質を変えた様になるのであって、内部は赤玉土の性質が残っているが、しかし麹処理によってそこにはバクテリアが多数住む事ができる環境にはなっていてるようです、土の表面や中にはバクテリア多数繁殖をしてそれらのバクテリアが出す酸によって、水には溶けない燐酸が少しずつ溶かされたり、施肥された水溶性のリン酸を与えても土の隙間を自由に行き来できる水が、土の中のアルミナ等と触れ合うと折角のリン酸が結びついてしまうと考えられています)

すぐに赤玉土に吸収させることのできる水溶性のリン酸は過燐酸石灰だけですので、10kgの赤玉土がリン酸を横取りをしてしまう力をなくす様になるまで不足を補うためにはリン酸が17%の過燐酸石灰を1,3s程を混ぜ合わせるか(この場合過燐酸石灰の中の副産物の石膏が少々邪魔になる)、燐酸水溶液を作りそれでリン酸処理をしなければ赤玉土を使っている培養土は菊にとって常時リン酸不足を招きかねないことになります。

燐酸水溶液を作る方法は、大きな桶などに4kg程の過燐酸石灰を10ℓ程の水に溶き良くかき混ぜその上澄みをまず2,5ℓ汲み上げて、汲み上げた桶にはもう一度水を更に2,5リットル足して良くかき混ぜておき、先に汲み上げたリン酸水溶液を10kgの赤玉土を広げた所に如雨露などで満遍なく掛けてそれを乾かした後、後日、もう一度上澄み液のリン酸水溶液を更に2,5リットル汲み上げて赤玉土に吸収させることが、リン酸の欠乏症対策には最も有効な手段です。

リン酸が有効に菊に吸収されるかどうかはとても大きな問題でそのリスクを取り除くために私の土麹根茂土、サンシャイン・ハイポストを使う培養土には赤玉土等は一切使用していないのです。

菊栽培において最も気になる窒素について、塩基置換容量の大きな培養土と小さな培養土ではどのような違いや差が出るかに関しては、塩基置換容量の大きな培養土の場合、与えた液肥や、乾燥肥料が水に溶けて鉢の中に広がると、磁石が鉄釘を引き付けるのと同じ様に+の電気を帯びたアンモニア態の陽イオン(アンモニウムイオン)が即座に用土に捕まります、そのために同じく解けた−イオンの硝酸態の窒素肥料が菊に吸われる事になるのですが、塩基置換容量が小さな培養土の場合には、+の電気を帯びたアンモニア態の陽イオンを捕まえる力が小さいので、菊にとっては有害なアンモニア態の肥料も硝酸態の肥料と一緒に吸収してしまうためにその害がでます。

菊は、アンモニア態の肥料を吸収して育つ稲などと違い、アンモニア態の肥料を吸収した場合新陳代謝の機能が低下して根や葉に薬害が出ます、軽い場合は葉の先端が壊死して茶色に枯れてきます、御自分の菊の葉の先端が(1枚の葉の3〜5箇所程の先端が)三角に茶色になっていたらそれは、消毒等の薬害では無く、用土の塩基置換容量が小さなためにアンモニア態の肥料を吸着出来ないと言う培養土の力不足による菊のダメージである事が多いのですが、更に症状が進むと、根が犯されて元気が無くなり萎れだして最後には枯れてしまいます、この場合は水を控えめにすればするほど濃度の濃い肥料分が根に害を与えるのですが、多くの方は、それでも水のやりすぎだと思い込み、更に鉢の中の水分量を減らそうとして水を控えて悪循環を繰り返すので厄介です、毎日真夏日の続いた今年は特にこの状態に陥った方が大勢いるようです。

又、塩基置換容量が小さな培養土で露地で栽培されていて、乾燥肥料は例年通り与えているが、良い天気が長く続いていて、ほとんど雨に当てていない方や、ハウス栽培でも毎日の水遣りを辛くして栽培している方が、9月になり蕾が出来て来て少し涼しくなった頃、秋の長雨に当てたり潅水量を急に増やしたりすると用土の中に分解されずに残っていた肥料が急に溶け出して大きな害を及ぼす危険もあります、今年は特に心配になります。

塩基置換容量の大きな培養土の場合は土に引き付けられた+の電気を帯びたアンモニア態の窒素は、用土の中にいるバクテリアによって、アンモニアが分解されて−イオンの硝酸態の硝酸になり、ちょうど、マイナスの磁石とマイナスの磁石が反発するように、用土から追い出されます。

これは気温の高い時期ほど活発に、又、アンモニア態の肥料を与えていればいるほどに多くの窒素肥料がどんどん湧き出てきます、その結果薄い2000倍ほどの液肥を与えても、大菊液肥V換算で50〜100倍などと言うとんでもない高濃度の液肥を与えたような状態に8〜9月のこの時期はなりやすいのです、しかしそれが何時までも続く訳ではなく、気温が低下する10月に入ると、バクテリアの活動も弱くなり、開花を迎える頃には自然に培養土に捕まっているアンモニア態の窒素が硝酸態の窒素に変るのは押さえられて、肥料を抜いた状態になり開花時の菊には何ら影響のない状態になるのです。

その土に捕まえられている肥料分は春になり温度が上がりだしてウド芽が育つ頃になると培養土の中のバクテリアが活動を始めて肥料が効きだして苗が育つのを手助けしてくれるのです。

後手後手で大きな失敗をした今年の菊作りで唯一それが思わぬ収穫を上げたものがあります、それが福助用の培養土作りです、例年培養土は使う1〜2カ月前に調合するのですが作業が遅れてしまい培養土を調合したのが定植の10日ほど前と言うお粗末・・・・そのために普通なら培養土を調合して水を掛けて寝かせたら使うまで1カ月以上はそのままにしてあるのですが、今年は毎日シートを捲って覗いて、それで培養土が発酵するのを毎日毎日目にしていました、毎日気温が高かったこともありますが、用土に混ぜ込んだ土麹根茂土とサンシャイン・ハイポストの配合割合が多かった事やベラボンと言う空気を多く含む隙間の多いスポンジ状の資材の多用もあり培養土の温度がとても高くなり、土が真っ白になるほど有用微生物が繁殖したのには驚くばかりでした・・・

これからの時期その有用微生物が活発に働き大きな力になって今年の福助の成長を後押ししてくれるかと思うとこれからの生育が楽しみになってきます・・・

ただ、少し心配が・・・・それは当地では、この5日程天気が悪く自然にシェード状態になっていて今年の花の開花がもしかすると昨年以上に早まるのではないかと言う危惧です・・・福島県内では多分8割方この予報は当たるものと思われます・・・



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