植える花夢菊作理論・・・この時期の肥料抜きを真剣に考える・・・・・
2012/09/19 (水)

この時期における菊の肥料についてご一緒に考えて見ませんか

[肥料抜きを一斉に競い合う時期になりましたが、できれば先日の私の日記のように、GR硝酸試薬で栽培している菊の鉢の中に硝酸態の窒素がどのくらい残っているかを調べる事をしてからじっくり考える事をお奨めいたします、

私の福助の場合は、例年蕾の付いたこの時期、信じれられないくらい高濃度の値を検出しますがそれでも何等異常の無い花を咲かせていました、ですから、検出された値が少々高いとしても、余り慌てる事は無いのかもしれません、それよりも、自分の菊の今の状況を把握しないまま、闇雲に肥料抜きをされるほうが大きな問題なのかもしれません。

折角1年を掛けて育ててきた大切な菊です、この時期の対応の良し悪しだけで大きな差が出るとしたら、ここは、慌てずに、じっくり多くの知識を得て(ここに書かれているだけでなく)対応される事をお奨いたします。]

と、数年前の9月18日の私の日記に書いてあった(笑)




10年程前の福助の美濃菊玉光の暁
美濃菊の玉光の暁は蕾の時期に窒素が少々多いと花草がすぐに出る菊なのですが、私はこの菊を大量に作り、蕾の大きさのどの時期に花草が形成されるかを確かめる実験をした事があります・・・・

肥料抜きや花肥えのやり方の良し悪しが咲いた花に大きく影響があることは菊を作っている方ならほとんどの方がご存知と思うが、実際にそれを沢山のサンプルを使い比較検討をされた方は少ないと思われます。


まず、「肥料抜き」と一般に言われる、リン酸第二水素カリウムを(第一燐酸カリ)使って鉢の中の窒素分をカリ分と一緒に菊に強制的に取り込ませる一連の作業をそもそも、肥料抜きと呼ぶ事が間違っていると私は考えています・・・・・・・・

、実際には追肥等で菊の鉢の中に与えた、液肥や乾燥肥料等に含まれているアンモニア態窒素が塩基置換容量の比較的高い田土や腐植の−イオンに捕まえられているアンモニア態の窒素などは、第一燐酸カリを与えたからといってそれがすぐに水に溶け込んで菊に吸われて鉢の中から少なくなることは科学的に考えにくい・・・(もし、用土のアンモニアが水に溶けて菊がそれを吸収すると菊に様々な弊害が起きる)

ただ、第一燐酸カリのカリ分が菊に取り込まれるときに水に溶けている硝酸態の窒素を一緒に強制的に菊に吸わせる働きをしているだけなのだと考えられています・・・・

用土に捕まえられているアンモニア態窒素の窒素は培養土の中に大量に住み着いている硝酸バクテリアのキレート作用によってアンモニアより小さな硝酸になり用土から切りはがされて、どんどん水に溶けやすい硝酸態の窒素になって出て来きます・・・・

それは、追肥を大量に与えた場合や、遅くまで与えた場合、栽培中に水を控えた場合、又、この時期の気温が高い、等の条件でこの時期に用土に硝酸態窒素が増えてくるのです・・・・

特に今年の夏は大変な猛暑で栽培中水を大幅に控えて栽培された方も多かったと思います、・・・・・そのために与えた乾燥肥料等が用土の中に分解されずに残っている恐れがあります、これからの水遣りや、露地栽培の場合は秋雨等によりそれらが急に分解して窒素分が大量に湧き出てくる恐れもあります・・・・・

この時期に第一燐酸カリを与えることが「肥料抜き」と単純に考えることが多くの菊作り初心者に間違った行動を取らせていると私は考えています。

最も良い肥料抜きは急に気温が下がって硝酸バクテリアの働きが緩慢になり土に捕まっているアンモニアが硝酸態の窒素になる事が出来なくなるのを願うこと(笑)・・・・と、下の式の中の科学物質を大量に使い鉢の中から硝酸態の窒素を追い出すこと・・・

ヒント・・(次の式はありえないが)  NH4+ + OH- →NH3 + H2O  の中の科学物質


正しい化学式

「NH3 + H2O→NH4+ + OH-」

アンモニア(NH3)に水(H2O)を加えると⇒アンモニウムイオン(NH4+)と水酸化物イオン( OH-)になる
(これも正しくは水にアンモニアを溶かすと・・・)    

通常水に溶けたアンモニウムイオン(NH4+)は (ー)の電荷(力)を持つ粘土等に引き付けられ直接菊の根から吸収される事はない・・・・・

 
 植える花夢・新たな菊作りに夢中
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