過燐酸石灰を水に溶かして「リン酸水」を仕込む
2012/03/19 (月)

ここ1週間程は、風邪気味で体調が思わしくなく、彼岸になって他の方が作業をお休みする時に慌てて作業を再開・・・・・・・

くしくも今日は、日記仲間の精興大臣さんと同じリン酸水の話題・・・・・・

2枚目の写真の様に溶かしたばかりの濁っているいわゆる「過燐酸石灰水」はそのまま薄めて水遣りに使うと、溶けている石膏が葉を汚す恐れがあるので2〜3日静かに放置しておいて、上澄みだけをサイホンの原理を利用して汲み上げて使う事をお薦めいたします・・・

リン酸は陰イオンですが、他の陰イオンのように溶脱されることはありません、しかし菊による利用率は低いので、普通の施肥量ではほとんど菊には吸収されないこともあります、酸性土や火山灰土の赤玉土等には鉄やアルミニウムが多く含まれ、反応性に富んでいるためリン酸イオンと反応して不溶性の化合物となっています、このため酸性土や赤玉土ではリン酸の肥効が悪いといわれます、これをリン酸の固定あるいはリン酸の吸収といいます。

リン酸の固定量を表すにはリン酸吸収係数が用いられ、100gの土が固定(吸収)するリン酸のmg数で表されます、火山灰土はりん酸吸収係数が2000以上もあり100sの赤玉土があるとすれば2kg以上のリン酸が固定されることになります。

そのために、関東ローム層と言われる火山灰土である、赤玉土を菊作りに使う場合には、多くの方がその害を少なくするために、冬の間に麹処理をしているのですが、表面をコーティングするだけなので、実際にはリン酸吸収係数を大幅に下げる事は出来ないと言われます。

土を電子顕微鏡でナノメートル程の世界まで拡大すると丁度ジャングルジムの様な構造になっていて、土麹処理をした赤玉土はジャングルジムの外側の角の部分の性質を変えた様になるのであって、内部は赤玉土の性質が残っているが、しかし麹処理によってそこにはバクテリアが多数住む事ができる環境にはなっていてるようです、土の表面や中にはバクテリアが多数繁殖をしていてそれらのバクテリアが出す酸によって、水には溶けない燐酸が少しずつ溶かされますが、施肥された水溶性のリン酸を与えても土の隙間を自由に行き来できる水が、土の中のアルミナ等と触れ合うと折角のリン酸が結びついてしまうと考えられています。

赤玉土を使って菊作りをする場合に最も良い方法は、赤玉土が吸収できる最大値の燐酸を前もって吸わせてしまうことなのですが、赤玉土に吸収させることのできる水溶性のリン酸は過燐酸石灰だけですので、10kgの赤玉土がリン酸を横取りをしてしまう力をなくす様になるまで不足を補うためにはリン酸が17%の過燐酸石灰を1,3s程を混ぜ合わせるか(この場合過燐酸石灰の中の副産物の石膏が少々邪魔になる)、燐酸水を作りそれでリン酸処理をする事が最も良い方法です。

その方法は、大きな桶などに5kg程の過燐酸石灰を30ℓ程の水に溶き良くかき混ぜて3〜4日置いておき、その上澄みをまず3ℓ汲み上げて、汲み上げた桶にはもう一度水を更に3リットル程足して良くかき混ぜておき、先に汲み上げたリン酸水を10kg程の赤玉土を広げた所に如雨露などで満遍なく掛けてそれを乾かした後、後日、もう一度、上澄み液のリン酸水を更に3リットル程汲み上げて、前と同じようにして赤玉土に吸収させることが、リン酸の欠乏症対策には最も有効な手段です。

そのあとに汲み上げたリン酸水は1000〜2000倍ほどに薄めて週に1度ほど潅水すると良いと思います


i0 i1 i2 (1) 20キロの袋のまま庭に置きっぱなしにしていたので袋が破れて雨に濡れてしまった・・・・
(2) 過燐酸石灰水
2〜3日静かに放置しておいて、上澄みだけを使う
(3) 夕方、先日調合した用土にゼオライトを7パーセントほど混ぜた、こうすると一般の用土の塩基置換容量を2倍以上に出来ると考えている・・・・
 
 植える花夢流・・・花と生活を楽しむ・・・
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