2011/09/10 (土)
今日は朝から白馬に・・・・・・
秋の夜長にお勉強はいかがですか・・・・毎日数時間ほどだけの書き込みです21時ごろには消します・・・・・
全菊連の機関誌「日本の菊」からの引用ですが・・・・・・
全菊連の機関誌「日本の菊」に岡田氏のとても判りやすい肥料の話が書いてあるので、簡単に書き写して見ます。
多量要素は五要素である。窒素は最も重要な要素で、光合成で作られた糖分と結合してアミノ酸から蛋白質を作り細胞の重要構成部分となる。 又、リンは細胞の核の部分に含まれ、カリは植物体全体に分布して体液の酸度を調節したり色々な生理作用に役立っている。 マグネシウムは主として葉緑体の構成核になっており、又、カルシウムは細胞まくのセルローズと共にペクチンとともにそんざいして、細胞の生理作用に重要な働きをしている。・・・・中略・・・・
さて、趣味のキク作りでは、止め肥といって8月下旬〜9月上旬に最後の肥料をやって、それ以降は施肥をしないのだということがいわれている。もっともこの肥料は油粕で作られた、いわゆる乾燥肥料なので施肥したあとも長く効果が続いて、少なくとも9月中・下旬ぐらいまでは残っているであろう。 また、品種によっては肥料が効きすぎて花形を乱したり、止め葉を大きくしたりすることもあると思うが、1ばん多く心配されるのは肥料をおそくやると花ぐされがおこるということである。
さて、またむずかしい話になるが、チッソとリンやカリといっても元素のまま肥料の中にあるわけではなく、また吸収されるときも元素のまま吸収されるわけではなく、化合物となっているわけで、チッソの場合はアンモニア態(NH4)の場合と硝酸態(NO3)の場合がある。リンはいっぱんにP2O5というリン酸になっている。
先に述べた五要素のうち、硝酸とリン酸は酸性で陰イオン(−)であり、アンモニア・カルシウム・マグネシウムはアルカリを構成する原基で陽イオン(+)である。植物は肥料として+と−のイオンをほぼ同じ量を吸収するようになっている。
さて、チッソ肥料のうち油粕や尿素は分解して先づアンモニアに変り、これが土中の硝酸化成菌という細菌で硝酸になって吸収される。もちろんアンモニアの状態でも吸収される。
土中の硝酸化成菌の作用は、夏の温度の高いときは活性が強いが、九月、十月になり土温が低くなると活性がにぶってくる。従って、九月以降にアンモニア態の肥料を多量に施すとキクは+イオンであるアンモニアを吸収し、他のカリやカルシウム、マグネシウムの吸収が抑制される。
もっともカリは植物体中を容易に移動できるので多少の吸収が減少しても他の部分から補給される。マグネシウムも同様で又量も少なくてすむ。しかし、カルシウムは前述のように細胞まくのペクチン質に結びついていて、体内では殆んど移動しない。したがって、カルシウム欠乏が出るのは先端や心の部分の新しい所だけに出る。
有名なのはカリフラワーやセロリーのカルシウム欠乏で大体心腐れになる。この際、出はじめたら消石灰の薄い液を散布すると心腐れの発生が止る。
われわれは水耕栽培でカルシウムを八月以降に与えない場合には完全に心腐れになり、九月以降に切った場合は花弁に黒いくされが多発した実験をしたことがある。 葉や花弁でも表皮細胞にはクチクラという層があり、雨水や露がついても急にしみ込んでは行かないが、カルシウム欠乏では前述ペクチン酸カルシウムの層がうすくなり水滴がしみ込みやすく、すぐ細胞が死んで斑点が出来る。 したがって、九月以降にキクにチッソ肥料を与えるのには硝酸態のチッソを与えれば、カルシウムの吸収は何等妨げられないので、少なくともカルシウム欠乏による花腐れはおきないわけである。
以上「日本の菊24号」より
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