菊栽培だけでなく、家庭菜園にも応用できる土と肥料の話
2011/05/07 (土)

昨日の地震はあの程度で、一応「ホ」・・・あとは、原発がこれ以上悪さをしなければ・・・少しは落ち着いて菊栽培が出来そう・・・・・・でも、明日も危険日・・・

それでは・・・・・

菊作りにおける土と肥料の科学でも・・・・・薀蓄を・・・

本来菊作り研究会の研究テーマとして意見交換と討論するつもりの内容なのですが・・・非公開掲示板に書いても多くの皆さんが連休中なので一般公開
(公開すると研究会員に怒られるので何時間かで消すかもしれません・・・笑)

それに、色々情報を発信しても参考にしてくださる方も余りいないようだし・・・・もっぱら、技術的な情報は、ききょうさんとryugoro7君にお任せした方が良いと考えているので・・・・・・


昨日の日記に私の培養土は他の方より塩基置換容量(CEC)の値が極めて大きいと書いたのですが、塩基置換容量(CEC)は、陽イオン交換容量(CEC)ともいいますが、それを詳しく書いてみます。

培養土が養分を保持することができるのは陽イオン交換作用によるのです、陽イオン交換作用というのは、土に施用された肥料成分の中の陽イオンが、あらかじめ土の表面にあるマイナス電荷の手に保持されていた水素イオンH+、やカルシウムイオンCa2+、などと交換され土壌に保持されることです。

土に保持されるのはカルシウムイオンCa2+・マグネシウムイオンMg2+・カリウムイオンK+・ナトリウムイオンNa+・アンモニウムイオンNH4+・水素イオンH+などです。

一定量の土が保持できる陽イオンの量を陽イオン交換容量(CEC)といい、その量の多い土(CECが高い)ほど養分を多量に保持できます、また保持された陽イオンのうち、H+以外の陽イオン(塩基)の占める割合の高い土ほど養分を多く保持している土といえます。

一般に砂質の土は養分が流失しやすく、粘土質の土では流失しにくいのですが、これは大きい土の粒子(砂質の土)は塩基置換容量が小さいのに対し、粘土は塩基置換容量が大きいことを示しています。

粘土の中でも直径が0.002mm以下の粒子(コロイド)は養分を保持する能力が高くなります、そのために粘土は塩基置換容量が大きいのですが、なかでもモンモリロナイト(ベントナイト2:1型鉱物の代表)、はとくに大きく、CECは乾土100g当たりのmg当量(me)で表され、1meは約6×(10の20乗)個のマイナスの手を持っている事を示すのですが、ベントナイトは100me/100gもの値なのですが、一般の田土ではその10分の1ほどの10me/100g〜15me/100g程の値が普通です。

ベントナイトは菊作りに於いては少々手を加えれば人造田土を作ることで菊栽培に利用できる良質な粘土ですが、ベントナイト等の粘土以外でも塩基置換容量(CEC)の値が極めて大きい物があります。

その1つがゼオライトです、沸石と言う岩石を熱処理後粉砕したもので、塩基置換容量(CEC)の値が120me/100g〜150me/100gほどの大変大きな値が保証されていて、大粒、中粒、小粒とあり、安価で手に入り菊栽培の用土に混入させやすくとても使いやすい物です。

2つ目には、菊作りに多く使われる腐葉土等が分解されて出来る腐植も塩基置換容量が極めて大きく腐植の成熟した腐植酸は塩基置換容量が300me/100g〜500me/100gと大変大きくなっています、腐植は粘土と結びついて粘土腐植複合体となって養分を保持する形になっています。

しかし、たとえ数値が高くても菊作り用土として菊の木作りをすると言う観点から機能していない場合があります、それは、CECの数値は塩基吸着の量的比較はできるが、塩基吸着の強度自体を表示したものではないからです。

CECは窒素、石灰、苦土、加里のいれもので、CECが保持する肥料成分割合は、窒素20%、石灰50%、苦土20%、加里10%です。
(塩基飽和度は石灰50%、苦土20%、加里10%をいう)

リン酸は陰イオンですが、他の陰イオンのように溶脱されることはありません、しかし菊による利用率は低いので、普通の施肥量ではほとんど菊には吸収されないこともあります、酸性土や火山灰土の赤玉土等には鉄やアルミニウムが多く含まれ、反応性に富んでいるためリン酸イオンと反応して不溶性の化合物となっています、このため酸性土や赤玉土ではリン酸の肥効が悪いといわれます、これをリン酸の固定あるいはリン酸の吸収といいます。

リン酸の固定量を表すにはリン酸吸収係数が用いられ、100gの土が固定(吸収)するリン酸のmg数で表されます、火山灰土はりん酸吸収係数が2000以上もあり100sの赤玉土があるとすれば2kg以上のリン酸が固定されることになります。

赤玉土を使って菊作りをする場合に最も良い方法は、赤玉土が吸収できる最大値の燐酸を前もって吸わせてしまうことなのですが、赤玉土に吸収させることのできる水溶性のリン酸は過燐酸石灰だけですので、10kgの赤玉土がリン酸を横取りをしてしまう力をなくす様になるまで不足を補うためにはリン酸が17%の過燐酸石灰を1,3s程を混ぜ合わせるか(この場合過燐酸石灰の中の副産物の石膏が少々邪魔になる)、燐酸水を作りそれでリン酸処理をする事が最も良い方法です。

その方法は、大きな桶などに5kg程の過燐酸石灰を30ℓ程の水に溶き良くかき混ぜて3〜4日置いておき、その上澄みをまず3ℓ汲み上げて、汲み上げた桶にはもう一度水を更に3リットル程足して良くかき混ぜておき、先に汲み上げたリン酸水を10kg程の赤玉土を広げた所に如雨露などで満遍なく掛けてそれを乾かした後、後日、もう一度、上澄み液のリン酸水を更に3リットル程汲み上げて、前と同じようにして赤玉土に吸収させることが、リン酸の欠乏症対策には最も有効な手段です。

そのあとに汲み上げたリン酸水は1000〜2000倍ほどに薄めて週に1度ほど潅水すると良いと思います


菊栽培において最も気になる窒素について、塩基置換容量の大きな培養土と小さな培養土ではどのような違いや差が出るかに関しては、塩基置換容量の大きな培養土の場合、与えた液肥や、乾燥肥料が水に溶けて鉢の中に広がると、磁石が鉄釘を引き付けるのと同じ様に+の電気を帯びたアンモニア態の陽イオン(アンモニウムイオン)が即座に用土に捕まります、そのために同じく解けた−イオンの硝酸態の窒素肥料が菊に吸われる事になるのですが、塩基置換容量が小さな培養土の場合には、+の電気を帯びたアンモニア態の陽イオンを捕まえる力が小さいので、菊にとっては有害なアンモニア態の肥料も硝酸態の肥料と一緒に吸収してしまうためにその害がでます。

菊は、アンモニア態の肥料を吸収して育つ稲などと違い、アンモニア態の肥料を吸収した場合新陳代謝の機能が低下して根や葉に薬害が出ます、軽い場合は葉の先端が壊死して茶色に枯れてきます、御自分の菊の葉の先端が(1枚の葉の3〜5箇所程の先端が)三角に茶色になっていたらそれは、消毒等の薬害では無く、用土の塩基置換容量と言う力不足による菊のダメージなのですが、更に症状が進むと、根が犯されて根腐れを起こし、生育が悪くなり最悪の場合は枯れてしまいます、この場合は水を控えめにすればするほど濃度の濃い肥料分が根に害を与えるのですが、多くの方は、それでも水のやりすぎだと思い込み悪循環を繰り返すので厄介です、夏の時期に高温が続いた昨年は特にこの状態に陥った方が大勢いるようです。

又、塩基置換容量が小さな培養土で露地で栽培されていて、乾燥肥料は例年通り与えているが、良い天気が長く続いていて、ほとんど雨に当てていない方や、ハウス栽培でも毎日の水遣りを辛くして栽培している方が、9月になり蕾が出来て来て少し涼しくなった頃、秋の長雨に当てたり潅水量を急に増やしたりすると用土の中に分解されずに残っていた肥料が急に溶け出して大きな害を及ぼす危険も塩基置換容量の小さな培養土での栽培の場合は特に心配になります。

塩基置換容量の大きな培養土の場合は土に引き付けられた+の電気を帯びたアンモニア態の窒素は、用土の中にいるバクテリアによって、アンモニアが分解されて−イオンの硝酸態の硝酸になり、ちょうど、マイナスの磁石とマイナスの磁石が反発するように、用土から追い出されます。

これは気温の高い時期ほど活発に、又、アンモニア態の肥料を与えていればいるほどに多くの硝酸態の窒素肥料がどんどん湧き出てきます、その結果薄い2000倍ほどの液肥を与えても、夏の時期は、硝酸態肥料の価が大菊液肥V換算で100〜200倍などと言うとんでもない高濃度の液肥を与えたような状態になるので、余り追い込みをかけなくとも良く木が出来ます、しかしそれが何時までも続く訳ではなく、9月半ばになり気温が低下すると、バクテリアの活動も弱くなり、開花を迎える頃には土の中のアンモニア態窒素が硝酸態窒素に変るのはずっと押さえられて、土に捕まえられている肥料分は春の苗作りの頃に又、バクテリアが活動を始めて苗が育つのを手助けしてくれます。

2011年5月7日 23時34分 2011年5月7日 23時31分ごろ 千葉県東方沖 2
2011年5月7日 23時29分 2011年5月7日 23時25分ごろ 宮城県沖 2
2011年5月7日 22時4分 2011年5月7日 22時0分ごろ 紀伊水道 2
2011年5月7日 21時57分 2011年5月7日 21時47分ごろ 紀伊水道 3
2011年5月7日 21時40分 2011年5月7日 21時37分ごろ 茨城県沖 1
2011年5月7日 20時36分 2011年5月7日 20時32分ごろ 宮城県沖 1
2011年5月7日 20時28分 2011年5月7日 20時24分ごろ 茨城県沖 2
2011年5月7日 15時25分 2011年5月7日 15時21分ごろ 福島県沖 1
2011年5月7日 15時20分 2011年5月7日 15時16分ごろ 岐阜県飛騨 1
2011年5月7日 14時59分 2011年5月7日 14時54分ごろ 宮城県沖 1
2011年5月7日 14時20分 2011年5月7日 14時16分ごろ 新潟県中越 2
2011年5月7日 13時44分 2011年5月7日 13時40分ごろ 福島県浜通り 1
2011年5月7日 13時38分 2011年5月7日 13時35分ごろ 福島県会津 4
2011年5月7日 12時26分 2011年5月7日 12時21分ごろ 奄美大島近海 1
2011年5月7日 10時16分 2011年5月7日 10時12分ごろ 福島県浜通り 2
2011年5月7日 9時41分 2011年5月7日 9時37分ごろ 釧路地方中南部 1
2011年5月7日 8時48分 2011年5月7日 8時43分ごろ 岩手県沖 1
2011年5月7日 7時3分 2011年5月7日 6時58分ごろ 根室半島南東沖 1
2011年5月7日 4時22分 2011年5月7日 4時17分ごろ 熊本県熊本 1
2011年5月7日 3時54分 2011年5月7日 3時50分ごろ 福島県浜通り 1

i0 i1 i2 (1) 4月29日に挿し芽をした菊には2〜3日後にBナインを散布する予定なので、今日消毒をしておいた・・・・・

噴霧器を使っての消毒は今年初めて・・・・・・
(2) お昼過ぎに山に行きゼンマイと蕨を採ってくる・・・・・
(3) なかなか伸びずに29日に挿し芽が出来なかった一文字の玉光院とあと何種類かを夕方挿し芽をした。
 
 植える花夢・新たな菊作りに夢中
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