震災後、まだ、１０日程なのに小説を何冊も書けるほどの人生を体験してきた・・・・・・・・

人生塞翁が馬・・・・・・次々に不幸が訪れる、しかしそれが、思いがけず、幸運を呼ぶ転機にもなる・・・・・・人生とは摩訶不思議・・・・

地震が起きた瞬間、余りの揺れと、その長さにこの世の最後と覚悟をした・・・・が、すぐに下校時の孫達の事が気になり、車を走らせて迎に行く・・・・・

地震後の１日以上は、テレビの前に釘付け・・・・その間１００回近くの余震が絶え間なく続く・・・・・

事態が急転したのは、福島原発事故・・・・何人もの東電関係者や、県職員から、事態の深刻なことを聞かされて避難を奨められる・・・・・・が・・なかなか思い切れない・・・

１２日　断水のため朝から山の湧き水汲みに・・・
　午後３時過ぎの第一原発１号機の建屋の爆発と放射性セシウムの及びヨウ素の検出で、第一原発と第二原発半径１０キロ圏内の住民の避難勧告・・・・・我が家は４５キロほどの所なのだが・・・・・夜１０時過ぎに、娘夫婦と孫達、我々夫婦と母の二手に分かれて、郡山と千葉に避難を開始する・・・・・しかし、私達は車中でラジオを聞いていて、今しばらくは安全と判断して水戸付近から引き返す・・・

１３日　今日も断水のため朝から山の湧き水汲みに・・・
　昼頃、近くの小学校の教頭先生から小学校の役員をしている娘に電話が・・・・・代わりに話を聞くと、小学校の体育館に１００名ほどの避難者が集まるので、炊き出しを皆に呼びかけて欲しいとの事・・・・・・娘に代わり私が協力する事に・・・・・地域のまちつくり仲間や、前区長、元区長、等の家を回り、各自の家庭で１升程のご飯を炊いておにぎりを作って頂く人を募る・・・・更に知り合いの農家を周り、ネギ、白菜、大根、芋等の野菜を頂いて回る・・・・

夕方、郡山に避難した娘達を呼び寄せる・・・・

１４日、昨日は余りにも多くのおにぎりが余る、・・・・更に避難されている大半の方が避難地域以外の方で、避難地域の方が来た場合は特別に隔離をして放射能検査をする事に・・・・・
今日も農家を回り野菜集め、更に、知り合いの豆腐屋さんから豆腐、製麺業者さんより、小麦粉を提供していただく、夕方、地域の役員さんたちと話し合い・・・避難者の方々から、自主避難なので提供された食材を使い、自分達の力で頑張りたいとの申し出が・・・・・

午後、今日も４００リットルほどと沢山の水を汲みに行き、お風呂を沸かした・・・・

１５日　昨晩から　第一原発３号機の建屋の爆発の後、２号機の空焚きが続き危険な状態に・・・・・・

午前１時過ぎ、危険と判断して、今度は私の車に家族７人全員が乗り非難する事に・・・・私達よりも７歳の孫達の将来を考えて・・・・・

行き先の当ては無いのだが出来るだけ遠くに・・・・・出来れば、雪を被った山の見える所・・・・温泉にも
しかし、高速道路は全て封鎖中・・・・・一般道をひた走り群馬県太田に・・・其処から高速に・・・夕方、金沢で高速を下り、大好きな白山市営の松任海岸温泉に・・・・営業終了までいて高速のパーキングに此処で一晩過ごす予定だったが、雪混じりの雨が激しく降っていて寒い・・・・・・仕方なく高速道を走り続ける・・・福井・・・琵琶湖の脇を走り・・・滋賀・・・岐阜・・・愛知・・・・朝、白川郷で高速を下りる１１５０円？・・・やった・・・・

その後、富山に行き、色々買い物・・・・ガソリンも・・・今晩は木曽駒ヶ岳の麓のコマクサの湯に入る事にして高速を走るが雪が激しく・・・妙高高原近くでは前が見えないほどの激しい雪、信濃町インターで通行止め・・・一般道を走る羽目に・・・・信号で止っていると後ろからワゴン車に激しく追突をされる・・・・８９歳の婆さんも、７才の孫達も無事で、怪我をしたのは私達夫婦２人だけ・・・・夕方５時近くだったので即病院に・・・・親切な職員の方の紹介で野尻湖湖畔のユースホステルで１夜を過ごす

１６日　　前日の診察は専門医が居なかったので朝指定された８時過ぎに奥方だけもう一度診察、入院を奨められるが１人だけ置いて旅はできないので・・・・・皆で移動・・・

午後、やっと木曽駒ヶ岳麓のコマクサの湯に・・・・

その後、小説１冊分ほどの展開が色々あり、駒ヶ根市の杉本市長様に、空いていた市の教員住宅を電気、ガス、水道を整備して住まわせて頂く事になったが電気工事が遅れて一晩本並副市長宅にお世話になった。

そのようにして、少しばかり信州での生活がスタートした。

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