植える花夢・科学的菊作り理論・・・・有機酸のキレート作用が菊を健全に育てる
2010/09/07 (火)

昨日の日記に書いたキレート作用について書き込んでみます。

キレート作用とは、カニのハサミという意味で、カニが物を抱え込んでハサミで「チョッキン」と、切るのを連想すると良いでしょう。

培養土に引き付けられていて菊が利用出来ないでいる難溶性のカルシウム、マグネシウム、リン酸等のミネラルを如何にして水溶性(可溶性)に変化させて菊に吸収させることが出来るかが、菊を健全に育てる事に繋がる近道ともいえます。

例えばリン酸を例に取ると、過燐酸石灰以外のリン酸肥料(骨粉やバットグアノ等)は苦溶性(難溶性)のリン酸と言って他の物質と結びついて水には溶けない燐酸です、それを 植物は、根から根酸と呼ばれる有機酸を出しキレート作用によって根から吸収することが出来るのです。

しかし、燐酸が土の中のアルミニウムと強く結びついた火山灰土の赤玉土などの場合には根酸では歯が立たない(小松菜だけは例外で、それで東京周辺で小松菜が沢山作られる)のです。

ところが、同じ有機酸でも、クエン酸は、キレート作用が強くキレート作用を発揮してアルミナと結びついた燐酸を多少切り離す事が出来るのです。

又、クエン酸は代謝活性回路(クエン酸回路)の中心であるために、菊が取り入れた肥料や光合成によって体内で作られた有機養分を速やかに分解をすることが出来るので、菊にとっては一番重要な有機酸と言えます。

クエン酸は土壌中ではカルシウムやマグネシウム、ケイ酸等に対してもキレート代謝作用を発揮し、そのうえ葉面散布により病原菌の退治をもしてくれます。

アミノ酸も、クエン酸と同じく土壌の中で強く結びつき菊の根から吸収が困難なカルシウム、マグネシウム、ケイ酸等に対してキレート作用を発揮します。

酢酸は作物が生成する最小単位の有機酸で非常に吸収されやすく、呼吸作用や生理代謝作用(クエン酸回路)に利用されて作物の活性を高めます、また抗菌作用も広く耐病性を高め、発根を促進します。

リンゴ酸は、クエン酸回路の最後に必要となるために、リンゴ酸を補給してやると、代謝を活発にすることが出来ると言われます。

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i0 i1 (1) 今日の切花  彩胡優美

アミノ酸を吸収すると葉が上に反り返る
(2) 一番遅く定植をした美濃菊  庵姫
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