最先端の科学技術を使っての菊作りの仕上げ その1
2008/09/17 (水)

20世紀からの現代文明は科学技術の発達を抜きにしては成し得なかったものです。

今、遺伝子レベルの研究によって「あなたは何歳頃になったらこの病気を発病する」との診断も可能で、近い将来自分の遺伝子の情報を元にその病気に対して画期的治療薬も作ることが出来るとも言われている。

菊の栽培においても、ただ勘に頼った栽培方法に代わって近い将来パソコンに取り込まれた情報によって、一鉢ごとの施肥管理が簡単にでき、開花時期や花の大きさまでがこの時期に分かるようになるかも知れない。

私も、土作りから最先端の技術の構築を目指して努力してきたのだが、この時期が菊作りで最も難しい時期で、特に施肥管理が頭を悩ませる、実際に止め肥の時期や肥料抜きの時期などでも長年の勘で盆養と1本仕立ての切花栽培では微妙に違うこと、更にダルマや福助になると大きな違いがあることは解るのだが、・・・・・・

同じ栽培場で同じ培養土、同じ肥料で同じ福助の同じ品種でさえ鉢によって育ち方が大きく違い、発雷などにも差が出てしまう、蕾のできる時期が違えば当然肥料のコントロールに大きく違いがでる事になる。

福助厚物の場合は追い込みをかけて着蕾時期頃に液肥換算で300〜400倍相当ほどの状態が続く肥効のピークに持って行き、その後徐々に肥料分が液肥2000倍相当まで落とすようにしながらも、惰性によって蕾の下4〜5枚目の葉が最大になるような施肥管理をして、蕾が育ち甘皮が切れる頃は肥料分がほぼ液肥4000〜5000倍相当ほどまで鉢の中の窒素分を抜き、後は葉に蓄積された栄養分の還流によって開花を迎えるのが理想的だと私は思っているのだが、肥料が早く切れると、その葉が大きくならないし、花も小さくなる、反対に着雷後いつまでも肥料が効いていると、大きくなった葉が巻き込んでしまい花も乱れたり、花腐れが起きやすくなる。

育ちが一様でない鉢の施肥管理は一鉢ごとに対応しなければいけないのだが、そのような微妙な一鉢ごとの肥料管理を手助けしてくれるのが、残留窒素(硝酸態)を調べることの出来る「グリスロミン試薬」なのです。

今までPHを計るために使っていたPH試験紙は1〜11までの広範囲を調べるものであったので、菊栽培においては菊の好む弱酸性付近の微妙な様子が知りたかったのでPH6,2〜7,8の弱酸性から弱アルカリ性の範囲を調べることが出来るBTB試験紙を今日から使ってみる、大部分の鉢が6,8〜7,0付近にある、増し土用土にピートモスを多めに使っていることや追肥によって絶対に6,2前後の酸性の値を示すと思っていたのだが(とってもびっくりな結果だった)、きっと液肥を使っていないことが原因と思われる、例年この時期の増し土に入れている苦土石灰の出番は今年はなさそうである。

明日は今日の結果を基に最後の増し土を行う予定。


i0 i1 i2 (1) シェードをしなかったにも関わらず蕾がずいぶんと大きくなり、葉も大きくなってきた。
(2) 厚物の残留窒素、半月前の2日と比べるとずいぶんと薄くなった、昨日の管物よりも低い値を示している、理想的であり、あと半月後には大菊液肥2000倍相当まで落として開花を待ちたいと思っている

下にはPHの状態が・・・・
(3) 数日後から使うハイポ水を仕込んだ。
 
 植える花夢・新たな菊作りに夢中
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