福助親株の手入れと消毒
2007/06/23 (土)

福助のストレート作りの本命の挿し芽をする日を27日の大安に行う事にきめて、本日親株の余分な芽と葉の整理をして、消毒をした。

消毒をしながら最近の菊仲間の日記を見ていて気になっていたことを思い出す。

まず多くの方が白さび病をことのほか恐れていて、中には何回かの消毒の後、2〜3の病痕のある葉を見つけて、薬が効かないと悩んだり、中には大切にしている苗を処分した方までいた。

ぜひ正しい対処法を身につけいただきたいので、私なりの農薬の使い方を記して置きます。

白さび病は、昼と夜の温度差がある時期、またはそういう場所で発生することが多いので、真夏や真冬の露地ではほとんど発生しません(加温設備のあるハウスなどでは冬にも発生する)、昼と夜の温度差がある栽培場所と言うのは良い花の咲く場所ですから、白さび病の発生する栽培場は理想的な栽培場と喜んでいいのかも知れません。

そうは言っても葉にうっすらとぽつぽつと見え出すと、すぐに次々に蔓延してしまい、無数に白い病痕が着くと、人間のおできと違い一度出た病痕は二度と消えませんから自分が病気にかかった様に心が痛み、菊作りがつらくなる病気でもありますが、秋に数個(3〜4個)ぽつんぽつんと出あまり影響は無いし、葉の縁なら出品前にハサミで病痕を切り落としたり、出品票で隠すことも出来ます。

しかし、白さび病が出る前に予防を兼ねてこまめに消毒を心がける事が大切なことは言うまでも無いのですが、不幸にして発生した時に正しい消毒の知識を身に着けて白さび病と向かい合うことが最も必要なことです、白さび病が発生した時に慌てて間髪を入れずに1〜2度続けて消毒をしてもあまり効果的では無いのです、まず1度目の消毒をしてから3〜4日目程に2度目の消毒をして、
更に3〜4日目に3度目、更に3〜4日目に4度目の消毒をする、つまり10〜14日ほどの間に4回程続けて消毒をすることが大切なことなのです、これはハダニにも同じことが言えるので、ハダニのほうが理論的に説明がし易いのでハダニでなぜそのような消毒法が必要か簡単に説明をします。
葉に無数のダニがいるとします、しかし葉には成虫のダニだけではなく子ダニや、卵も沢山産み付けられています、殺ダニ剤が効くのは、子ダニや成虫のダニだけで卵には効かないのです、ですから1度で消毒を止めてしまうと、卵から孵ったダニが活動をはじめすぐに次々に卵を産み付けてしまい、ダニの繁殖を食い止めることが出来ないのです、それで3〜4日目、3〜4日目と何度か消毒を続けることにより、卵から孵った子ダニや物陰で消毒液に当らずに生き残っていたダニなどを次々に退治することが出来るのです、白さび病も同じようなことがいえるのです。
更に消毒薬ですが、私は基本的には薬品名を日記には書かないようにしています、数年前に改正消毒法が施行され、昔は消毒薬は薬害だけを注意すればある程度自由に使えたのですが、現在は薬品ごとに使える作物や使える
回数までもしっかり決められています、それは農家の方だけでなく趣味の菊作りも同じです、先ごろ日記仲間の方がラリー粉剤を探されていましたが、ラリーの乳剤は菊に使うことが今でもできるのかも知れませんが、同じラリーでも粉剤のラリーは菊には使うことは出来ません。
間違えて使うと次のようなニュースになることさえあります。

「鹿児島県、無登録農薬使用農家が新たに10戸判明。使用農薬は殺菌剤ラリー・マンコゼブ、植物成長調整剤ジベレリン・ビーナイン。キクとミカン栽培に使用」

「北海道、当麻農協が無登録農薬RALLY(ラリー) 40Wを58戸の菊栽培農家に販売したことが判明。(ラリーの有効成分:コナゾール系殺菌剤ミクロブタニル;カリフォルニア州プロポジション65で生殖毒物とされている)」

又、最近は散布中の消毒剤が風で飛ばされ隣接する農家の野菜等にかかり何千万円と言う賠償金を請求されたと言うニユースもあります、そのうち日本もアメリカ並みに訴訟社会になるかもしれません、できるだけ日記のように後々まで残る物には薬剤名を書かないのが良いと私は思っています、ただ、白さび病の特効薬に農協(JA)でしか扱っていない「バシタック」がとてもよく効きますぜひ取り寄せてみてはいかがですか。


i0 i1 i2 (1) 聖光華宝の手入れ前。
(2) 手入れ後右下にある茎や葉を整理した。

華宝はピンチ後40数枚の葉が付かないと芽止まりが来ないので福助を作る場合、葉齢の若い芽を挿し穂にして育てると、なかなか蕾が付かずに草丈も伸びてしまうと私は予想して、現在10枚以上の葉を付けた芽を育てていて、20枚ほどの葉が付いた7月9日ごろ挿し芽を予定している。
(3) 消毒は殺虫剤、殺菌剤、殺ダニ剤、の3種混合液を使った、特に殺ダニ剤は温度の高い時間帯に噴霧すると薬害が起きることがあるのでこれからの気温の高い時期には、気温が下がった夜間に行うのが安全です。
 
 植える花夢流・菊・花と生活を楽しむ・・・
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