私の腐葉土の作り方
2005/12/10 (土)

本日は体調不良のため作業はお休み。

掲示板に書こうと思った「理想的な腐葉土の作り方」について、日記ならいつでも見ることが出来るので、多くの方の参考になればと思い此処に書いておくことにします。

菊作りを始めて、30数年、この間に、数百人の方の培養土を見てきましたが、「培養土によって菊の育ち方に大きな差が出る」ことをずっと感じていました、培養土は、腐葉土のほか田土や赤玉土、クンタン等、数種類の材料をブレンドして作るのですが、1番大きな割合を占めるのが腐葉土なのです。

全国大会や、各地の菊花展で上位入賞をする名人は「腐葉土は2年越しの物を使う」と言いますが、私が目にしてきた大勢の菊作りの方の「2年越しの腐葉土」は、まだ「未熟な腐葉土」であることが多いように思えます。

理想的な腐葉土は、保肥力(塩基置換容量・・・CEC)が高い良質の土壌ヒューマス(腐植)が多く含まれていることが重視されると思います。

塩基置換容量・・・CECは、良質の土壌ヒューマス(腐植)においては600ミリグラム当量と高いので、良く出来た腐葉土はCECが200ミリグラム当量ぐらいと高い値を示すのですが、未熟な腐葉土では、CECが20ミリグラム当量ぐらいの物もあるといわれます。

因みに、国内の一般的な粘土(カオリナイト)でCECは3〜15ミリグラム当量、質の悪い田土で5ミリグラム当量以下、良い田土で20ミリグラム当量以上、世界一優れた粘土のモンモリナイト(ベントナイト)で80〜150ミリグラム当量、ですので、腐葉土の持つ保肥力の大きさが、菊の健全な発育を促す土壌としての大きな役割を、ストレートに、になっているのです。

まず、腐葉土を作るための材料となる落ち葉についてですが、身近にあって手に入りやすい物を使えばよいのですが、針葉樹(松、杉、等)や銀杏、などの裸子植物や竹や笹の葉などを多く含む木の葉は、油脂が多く含まれていたり、発酵するのに時間がかかるなどの理由から畑などに堆肥として使うにはよいのですが、鉢で作る菊の栽培には適さないと言われます。

私は、主に椎、樫の木の葉と、クヌギ(少量のナラが混ざる)の木の葉を別々に作ります、それを培養土を作る時、小鉢、大鉢、更に厚物、管物、又、切花、福助など、作る目的に合わせて腐葉土をブレンドして使っています。

私が理想とする腐葉土は樫、椎などの葉に厚みのある常緑樹と、クヌギ、ナラ等の葉の薄い落葉樹では、集めてくると時の木の葉の分解の状態の違いや木の葉の体積当たりの重さの違いから、出来上がった腐葉土には、大きな違いが出来ますが、色が黒いこと(黄色や赤は良くない)、に間しては同じです。

樫、椎の腐葉土は、おおよそ全体の10〜20%ほどは木の葉の形をしていて、50〜60%ほどは分解が進み、木の葉の形が3分の1程度に細かくなっていて、20〜30%ほどはミミズの糞状の物(微塵)が混ざっているくらいの腐植化が進んでいる状態が理想的と言えると思います。

又、クヌギ、ナラの腐葉土は、おおよそ全体の40〜50%ほどは木の葉の形をしていて、40〜50%ほどは分解が進み、木の葉の形が3分の1程度に細かくなっていて、10〜20%ほどはミミズの糞状の物(微塵)が混ざっているくらいの腐植化が進んでいる状態が理想的と言えると思います。

その状態の腐葉土を10〜15ミリ目の篩いの上に湿り気の有る状態で置いて、手袋を付けた手で軽くこすると篩いの下に落ちて、その落ちた物を手に取り、軽くもむと粉々になるくらい腐植化が進んだ状態が理想的で、「濡れている状態では、揉んでもしっかりしていてカラカラに乾燥させると細かになる」ようなものや、篩いの上に木の葉の葉脈の芯が残るようでは分解の進んでいない未熟な腐葉土と言えますし、逆に、「木の葉の形が無くなり、ミミズの糞などが多く、細かな粉になったものや土化したもの」は分解の進み過ぎた、文字通り「腐葉土」で畑などに施すのにはよいのですが、鉢での菊つくりには不向きです。

木の葉を積み込んで、それが発酵して分解して腐葉土になるメカニズムの中で重要な働きをするのが、多種多様な細菌、放線菌、糸状菌などの微生物たちなのですが、まず、それらの働きを理解することが良い腐葉土を作る近道であると私は思うのです。



i0 i1 i2 (1) 私が今まで使った発酵剤、左からマルトの発酵剤(バイムフードと同じものらしい)
中はおなじみのコーラン、右のボトルの黄色い方EM菌、その隣の黒いのはEM菌を拡大培養に使う糖蜜。

現在は、一年前の良くできた腐葉土を拡大培養をして使い、そこに自家製のアミノ酵素を使っている。
(2) 腐葉土を作るときに混ぜる資材、木の葉1立米に対し、写真には無いがまず米糠60リットル、そこに油粕5リットル、魚粕3リットル鉄力アグリ1キログラム(アクアを使う場合は打ち水に混ぜる)そこに発酵剤を
写真左から鉄力アグリと鉄力アクア、油粕、魚粕。
(3) 自家製のアミノ酵素。
 
 植える花夢・新たな菊作りに夢中
[ホームに戻る] [今日の日記へ] [この日の日記へ]