2014/01/18 (土)
千葉でも雪が降ったらしい。
内閣総理大臣賞受賞作 「一つぶの重さ」 橋本将憲・宮崎県日之影町立宮水小学校6年
「じいちやん、ばあちゃん大じようぶ。」 とぼくは、じいちゃんとばあちゃんに声をかけます。 田植えが終わって、五、六、七月の三ヵ月間。毎晩夜中の三時ごろに田の水まわしに行っています。 それは、用水の水が夜中にしかまわってこないからです。 家の田んぼは、広い田んぼでは、ありません。斜面にそって段々になっています。 上の田んぼに水がいっぱいになったら、石や板を上げて下の田んぼに水を入れる作業があります。 この時期その作業を一晩中くり返します。ぼくの住んでいる平底には、夜中にしか水が来ないからです。 とても不便な事です。でも、とてもありがたい事でもあります。 なぜなら、田植えができるだけの水が流れてくるからです。 町内には、よく開かれた田が続いていますが、むかしは、畑ばかりで田はほとんどなかったそうです。 わずかな田が、あちらこちらにちらばっているだけでした。 それは、土地がたいへん高い所にあるため、田を作るにも、田に引く水がなかったからです。 わずかにある田に使う水は、山と山の間の小さな川の水を細々と引いて、利用していました。 毎日の飲み水も十分ではなかったので大変苦しい生活をしていたそうです。 明治三十三年、今からおよそ百年ほど前、七折に用水路を作ろうとみんなの考えがまとまったそうです。 それから約三十年、三十四キロメートルにもおよぶ、日本全国でも有名な長い用水路が出来上がりました。 それが七折用水です。それだけ長いきょりを流れてくるので、平底にくるのは、夜中になるんだなとあらためて思いました。 それだけ大変な思いをして作るお米。 毎日じいちゃん、ばあちゃんを少しでも助けようと、秋には、いねかりやかけぼし、だっこくを手伝います。 暑い中、同じ作業で大変だけど今年も一生けん命がんばります。 今年のお盆も水の子という物をおはかに供えました。 十三日に精霊様をお迎えに行く時と、十五日に送って行くときにお供えするものです。 水の子とは生のお米となすやハスガラをきざんでまぜた物です。 ご先祖様に感謝する気持ちと、おはかに集まってくる鳥やイタチなどにも食べ物を分けあたえるという意味があることをばあちゃんに教えてもらいました。 それを聞いてぼくは、お米の一つぶ一つぶが命をつないでいく事にもなるのかなと思いました。 ぼく達兄弟は、小さいころからお米の一つぶの中に神様が七人いらっしゃることをくり返しくり返し言われてきました。 だから、しかられないように茶わんについたお米を一生けん命かき集めて食べていました。 でも、今は別の意味でその一つぶ一つぶの大切さをすごく感じています。 とても小さい一つぶ。しかし、その一つぶの重さを実感しています。
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(1) 和歌山だいこん収穫。 外見はりっぱなんだが…。
(2) 午後2時過ぎでまだ凍ってる。 10p近く持ち上がってるかな?
(3)
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