□水＝留守

朝の目覚めはいつもと同じ。
ガサガサしても怒られそうなので、傘とカメラを持って外に出る。
夏の京都の観光案内に出ていた農家（会津藩が投宿したこともあるらしい）を見てみたかった。
京都駅の南側（八条）から、烏丸通を九条、十条と歩く。
朝早いといっても歩くと汗が出る。
地図を置いてきてしまったものだから、十条まで行って竹田街道を上がってみる。
当然のように「竹田の子守唄」が頭をよぎる。
かろうじて、その農家は「長谷川さん」とだけ記憶がある。
花に水をやっているおばさんに尋ねるが、
「長谷川さんばっかりでね」
「大きな農家さんなんですが…」
「みんな大きいですよ」で、わからない。隣の組長さんに聞いてくれようとしたが、申し訳ないので止める。
「すみませんねぇ、お役に立てませんで…」
「こちらこそ、申し訳ないです」。

目星をつけて竹田街道から少し東にそれると、どんぴしゃで目的の農家はあったが、10時開館。
まだ７時過ぎだわ。
そう言われて通りを歩いてみると、大きな農家らしい造りの建物があちこちにある。
長谷川さんのほかに田中さん。

朝食後、大阪在住時代の友人に会うという女房どのとは別行動で、娘と２人で京都御所を目指して丸太町まで地下鉄利用。
新島旧邸の開館まで時間があるからと御苑内に入ると旧九条家のお茶室と庭があり立ち寄る。
御所のすぐ東側・南に新島旧邸がある。同志社のマークにすぐわかる。
明日あたり八重さんは新島襄にプロポーズされるそうで、近くここでの生活が始まるわけだ。

丸太町通に戻って鴨川に向かうと西詰南側の橋のたもとに「女紅場址」の碑がある。
女紅場はいつまで残っていたのかだが、大正１２年に建築されたという旧京都中央電話局上分局の建物が残る。
現在は食品スーパーとコナミスポーツになってた。

烏丸駅近くでおばんざいの昼飯。
京野菜ではなく「都野菜」という。
京野菜は京都産でなくとも京野菜で、京都産の京野菜にこだわりがあるそうなんだわ。
野菜でも腹がいっぱいになって、錦市場へ。
京都は仕事も含めて数えきれないくらい行っているが、実は錦市場は初めて。
生来、市場やアーケード街を見て歩くのは好きで、
うまそうなのが目について仕方なかったが、なんせ昼飯後、食べ歩きはきつい。
で、鱧の照り焼き串刺しを一つだけ。

途中、柳馬場通を上がって「フレーバーズ」、さらに上がって六角通を東に入って「はし本」、
御幸町通を下がって「しるく」と、TVの京都番組で紹介されていた店に。娘についていく。
「フレーバーズ」は京野菜を使ったスイーツ屋さんで、桂高校の生徒が作った桂うり、鹿ケ谷かぼちゃなどを使っているとある。
「ジュレってなんよ？」と言いながら、桂うりとライチのジュレとやらを食ってみる。
口に入れると桂うりの香り（まくわ瓜と同じ）がファ〜と広がる。

また、錦市場に戻り、抜けきるところが京極。
小６の修学旅行で土産を買いに連れて行かれた記憶があるだけで、場所も知らなかった。
なんのことはない「こんなところにあったのか」という感じ。

「何度も京都に行ってるけど巽橋知らな〜い。先斗町ってどこ？　どんなとこ？」
という娘を案内し、先斗町、木屋町あたりを歩く。昼間じゃ雰囲気がないかな？
そこを抜けると鴨川の河原に。見上げると人気のなさが夏の終わりを告げる川床。
「へぇ〜、こういう風になってんの〜」。
実は、京都には「そんなとこ入って行っていいの？」というところを抜けるとまた店がある。
祇園、巽橋から八坂さんへ。清水さんはパス。

四条通を戻って一力の角を曲がり花見小路を入ると祇園南町。歌舞練場があって、その先に建仁寺。
双龍図にレプリカだが、風神・雷神図屏風と金沢祥子さんの書屏風。
方丈庭園「大雄苑」「潮音庭」「○△□乃庭」を眺めながら、しばし休息。
畳に寝っ転がっているのも…。蚊やり豚を置いてくれてるし…。

建仁寺を出て、縁切り神社の安井金毘羅宮へ。
悪縁を切って、良縁を求めるらしい。
さすがに、参拝客には若い？お姉さん方が多く「縁切り縁結び碑（いし）」をくぐり抜けている。
わが娘も「切りたい縁はないけどね〜」と言いながら、縁結びは求めたようだ。

「夜は蕎麦がいいね」という娘に応じ、四条通を河原町から烏丸まで歩くが、気の利いた蕎麦屋はなく、
「ならば、京都駅に戻って美々卯にしよう」と結論。
外のエスカレーターで１１階を目指しているとポツリ、ポツリと。
あわてて６階あたりで建物の中に入るといきなりの土砂降り、間一髪でセーフ。
久しぶりに食う外でのうどんを味わっていると女房どのから電話で合流。

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