2011/07/12 (火)
AC(公共広告)の権威である関大名誉教授の植條先生に別件でお目にかかった。 いい機会だったので、震災直後非難ごうごうだったACの話に水を向けてみた。
AC自体の存在については、HPにあるが、放送局にしろ、新聞社にしろ、 CMや広告の空き対策のために、ACやJARO(「ジャロってなんじゃろ?」のジャロ・日本広告審査機構)の原稿を持っている。 それぞれ媒体社は、それらの会員になっているため放映料や掲載料は無償。
しかし、各局で、これでもか、これでもかというほど執拗に流れたあのCMが、 国家予算を使って仕組まれていると思っている人が相当いたらしい。 さらにはあのCM料はACが負担していると思い、「そんな金があるなら被災地支援に回せ」だの、 苦情はもとより、「これから包丁を持ってそっちへ行く!」と脅迫めいた電話まで、 「1日何百件も、それは、それはものすごいもんだった」という。 「え〜し〜」でありながらCM料を出しているのは、トヨタであり、サントリーなどの企業なのである。
からくりというのは、こうだ。
放送各社はそれぞれのスポンサーとCM契約を結んでいる。 しかし、今回の震災にかかわらず、皇室関係や、スポンサー企業の不祥事など、 有事の際にはCM放送をスポンサーの意向で、ストップせざるを得ない場合がある。 それは、今回のように全スポンサー、全放送局のこともあり、 ある特定のスポンサー、特定の放送局のこともある。 中止CMをそのまま空白時間にする訳にはいかないから、「え〜し〜」を流す。
なぜ、「え〜し〜」ばかりなのか。 「『え〜し〜』を流しておけば元々のスポンサーはCM料を放送局に払わなければならない、民放連とそういう約束になっているからですよ」。 つまり、放送局はCMキャンセルをくらっても、「え〜し〜」さえ流しておけば、 そのスポンサーのCMが流れなくともスポンサーからCM料をもらえる仕組みになっているというのだ。 「新聞の場合は、有事で広告キャンセルが出てもページ数を落とすとか記事でカバーするとか、 素早い対応ができるからそういうことはないのだが…。 もちろん放送局もCMをなくすという対応ができないわけではないが、 『え〜し〜』を流しておけばCM料は予定どおり入るのだから余計な努力はしない」。
「だけど、おかげでACがあれだけ反感を買っているというのは、 ACが存在する意義を一般の方が知らないからでしょう。 もっと、ACそのものの原稿も用意しておくべきでは…。」 「あるんですよ。あるんだけども、具体的な公共的な内容の方がCMにしろ、新聞広告にしろ使いやすいんですよね。 それと媒体社も、先ほどいったように、TVはほとんどCM枠に空きがなく、 新聞はすぐ対応ができるなどで露出する機会がない」
出勤前の水やりついでに収穫。 ◆収穫◆なす、第3弾きゅうり、いんげん
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