2010/03/18 (木)
朝晩は、少々寒いくらい。
昨夜は、浅田次郎氏の「蒼穹の昴」講演会。 開始までの間、繰り返し、繰り返し、あゆの歌が流れる。
明や清の時代。 家貧しくして、働き口のない者は宦官となり宮廷や貴族に仕えた。 宮廷に仕えるとなると、「いいところに就職できたじゃないか」と思うが、もちろん下部。 掃除や炊事などの下働きをする奴隷同然であった。 しかし、多くは一生下働きで終わるが、中には皇帝やその后妃に寵愛され、側近となることもあった。
この宦官になるためには、ちんち○を切り落とさねばならなかったのだという。 さらには、このちんち○を切り落とす商売があったというから、これまた、おとろし話である。
切り落としたところで、だれもが宦官になれたわけではなかったが、その勇気が金になった。 この「蒼穹の昴」は主人公が、母親の病気を助けるために自ら去勢するところから始まる。 貧しい家に育った男子は、「科挙」以外で宮中に上がるには宦官になるしか道はなかった。
この宦官の、ちんち○を切り落としは奴隷の名残だという。 昔の戦は種族の戦いであり、その戦利品は捕虜・奴隷だった。 奴隷の種族が増えると困るから、去勢して使っていたのだという。 宮廷に仕えるというと聞こえはいいが、その名残が宦官なのだという。 中国では、殷の時代から清朝末期まで3000年の間続いたということだ。
あらゆる面で、中国大陸の影響を受けてきた日本だが、 幸いにも単一民族で種族間の争いというのはなかったから、この宦官という仕組みは入ってこなかった。
もうひとつ、この時代の「科挙」も日本には馴染まなかった。 科挙はご存知のとおり清の時代まで続いた優秀な人材を集めるための官吏登用試験。 東大受験など足元にも及ばない、壮絶な試験地獄だったらしい。 これが、なぜ、日本に入らなかったというと、 「日本は世襲制だから」と浅田氏は言う。
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