感動を呼んだ作文。
2009/12/18 (金)

harenotikumori.gif 12月6日付 編集手帳

 小学4年のその女の子は生まれつき左足がない。幼い新入生たちが義足を見て、「偽物の足だ」と心ないことを言う。彼女は当然、傷つき、担任の先生に相談した◆そこからの先生の対応と、少女の勇気が素晴らしい。先生は「1年生に足のことを話してみようか」と提案する。少女はそれを受け入れて1年生の教室を訪ね、目の前で義足をはずして、足がない理由や自分の気持ちを自然体で説いた◆障害者週間(3〜9日)に合わせて内閣府が募集した「心の輪を広げる体験作文」の小学生部門で、総理大臣賞を受けた作品のあらすじだ。自らの体験をつづったのは熊本県の南阿蘇村立久木野小学校4年、藤崎未夏さん◆紙幅の都合で一部しか紹介できないが、首相官邸のホームページで鳩山内閣のメールマガジン第9号を開くと、未夏さんのメッセージとともに全文へのリンクがある◆審査員の一人として作品を読ませてもらった。自我が育つ時期に、良き先生に出会えた未夏さんと1年生たちの何と幸せなことか――そんな思いを抱きつつ最優秀作に推した。全員一致である。多くの人に読んでいただきたい。

12月10日付

http://kyushu.yomiuri.co.jp/news/culture/20091211-OYS1T00589.htm

12月13日付 編集手帳
 はじけるような笑顔で、高く高く、縄跳びをする少女の写真に胸が熱くなった。1週間前に小欄で紹介した熊本県の南阿蘇村立久木野小4年、藤崎未夏さんの記事だ。10日朝刊の社会面である◆生まれつき左足がない未夏さんは、義足を見た幼い新入生から「偽物の足」と心ない言葉を聞く。担任の先生は「1年生に足のことを話してみようよ」と説いた。その体験を作文にし、内閣府が障害者週間に合わせて募集したコンクールで総理大臣賞を受賞した◆あらすじのみの小欄に100件近くも反響を 頂戴 (ちょうだい)したため、首相官邸のホームページに掲載中の全文を、了解を得て紙上に再掲させてもらった。併せて伝えられた未夏さんの近況に、またエネルギーをもらった人も多いだろう◆未夏さんは作家になるのが夢だ。パラリンピックへの出場を目指し、バスケットボール部にも入っている。来年また、成長した自分を作文にするそうだ◆なんと大きな可能性に満ちていることか。未夏さんとすべての子供たちへ。頑張る君たちを、父母のように、祖父母のように、目を細めて見守っている大人が全国にたくさんいます。

 
蘖ひこばえの菜園作業メモ
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