2009/12/04 (金)
一部、重複します。
北朝鮮から機密文書持ち出し容疑による国家反逆罪で、8年前から、 中国政府からは脱北者の出入国幇助の容疑で5年前から指名手配を受けている。 大学の先生多しといえども、2つの国から指名手配を受けているのはわたしくらいのものでしょう。 北朝鮮の場合は、捕まれば間違いなく死刑です。 それも、大衆に晒されての銃殺刑、中国はもう一つよくわからないので、 その筋の詳しい方に調べてもらったら、懲役8年くらいだろうということで、 こちらはそんなに重くはないですね。
恐らく12月には拉致問題再調査委員会が立ち上がるだろう。 3年前の12月にも同委員会のもと、外務省筋が北朝鮮の工作員と接触をとり、 その模様が日本のTVニュースでも流れた。 自宅で遅い夕飯を食いながら何気なくそのニュースを見ていると、 北朝鮮の工作員が笑顔を含みながら何事か話している。 最近では、日本人がしゃべっても字幕が出るのに、その時は、北朝鮮側がしゃべっているのに字幕が出なかった。 出せなかったんですね。 わたしは当然朝鮮語は理解できますから、耳を傾けているとなんと 「李英和を引き渡すなら、拉致被害者の調査をしてもいいよ」 というようなことを、笑いながら話しているではないですか。 もちろん、冗談を込めて話したのだろうがわたしは椅子から落ちそうになりましたよ。 今年も、6か国協議に戻る、戻らないの話の中で拉致問題に触れて、 もしわたしの話が出たら、再調査の意向は真剣にはないと思ってください。
日朝関係のポイントは、1に拉致問題、2に核問題、3が次の将軍様が誰になるかでしょう。 「偉大なる将軍様」は、いったいいつ(死が)なのかが問われるところだが、 「明日から、5年」というのが韓国がつかんだ情報だ。 TVで流れる表情を見ていると、いい時と悪い時がありますが、あれは人工透析を受けているからです。 フランスの医師が金正日を診察しましたね。 もちろん、その結果を、自ら漏らすようなことはどんなことがあってもしません。 韓国が、あらゆる手段を駆使して仏医師のパソコンにハッカーしたんですね。 それによると、「5年以内に、金正日の病気は再発する可能性が大きい」という。 それが明日かも知れない。 そうすると、拉致問題にしろ、核問題にしろ、問題は金正日のあとなんですね。
さきほどの、なぜ12月かというと、次の将軍様にややこしいのが出てくると、という焦りが米韓にある。 ご存知のように、金正日の後継者には3人のなまえが挙がっている。 ひとりは、成田空港で捕まった長男の正男。あとのふたりは、在日を母親に持つ腹違いの二男と三男。 いまの北朝鮮は軍部が握っているが、長男とこの軍部の折り合いが悪く、二男、三男を担ごうとしている。 どちらかというと改革開放派の長男を軍部が非常に嫌っている。 2001年に成田で捕まったときも、軍部の仕業で密告させた。 だから、長男はいまだに北には帰れないでいる。 二男は、腹違いとはいえ、長男と非常に仲がよく、「兄貴が継がないのに、二男が継げない」と断った。 それで三男に向けると「はいはい」とすんなり受けた。 これがなまえが出ている「金正うん」です。 軍部が担いでいるわけですが、これがまた非常に軽いんですわ。ひとりでも、十分担げる。
北朝鮮は、独裁国家を超えた専制国家で、出身成分で大きく3つの階層に分けられる。 そして、それぞれ果実(野菜)に例えられる。 いちばん上は、核心階層で25%がこれ、2番目は動揺階層でこれも25%、いちばん下が敵対階層と呼ばれ50%を占める。 核心階層は、トマトで外も赤いし中も赤い。 動揺階層は、リンゴで外は赤いが中は白い。 敵対階層は、外が白けりゃ中も白い梨だ、となる。 トマトとトマトの間に生まれたのが長男の正男であり、 二男、三男はトマトと梨(在日の母親)の間に生まれた子。だから、正男が後継者となれば問題がないのだろうが、 二男、三男が後継者となれば、身分制度がおかしくなる。トマトであることを示す実績づくりをしなければならない。 そのための、核保有誇示であり、ミサイルの発射なんです。 北朝鮮の本当の危機は金正日後にやってくる。「金正うん飢饉」もありうる。 拉致問題の解決は三男にはできない。 北朝鮮の存亡は、中国の出方次第、さじ加減ひとつにかかっている。
2002年に小泉さんが北朝鮮を訪れましたね。でも、この時の小泉さんのツメが甘かった。 その時から、拉致問題に関しては何ら進展がなく、失われた7年とかいわれるが、 核問題も含めて、北朝鮮にとって、改革解放の選択が2002年だったと思う。 生きるのが苦しくなって、水面に酸素を吸いに浮かんできた深海魚が、 丘にあがろうかどうか迷ったあげく、さらに深みへ潜り込んでしまった状況だ。 (小泉さん訪朝の件については、もっと核心の話があったが、影響が大きいのでここでは控える)。
講演後の歓談の場で誰かが「先生、だけど、指名手配されていて身の危険を感じないんですか?」と問うと、 「ですから、警察が注意して警らしてくれてます。 学生たちとコンパをやっていても、警察が見張ってくれてます。 電車にも乗らないでください、言われるんですよね。 そうはいっても、電車にも乗らないと仕事にならないし、 そしたらホームの一番前には絶対並ばないでください、ゆうんですわ。 ですから、いつもほとんど座れないですよね。」
(Wikipediaから) 「核心階層」に分類された人々は、国に忠誠を尽くすものと見なされ、特権階級として数多くの恩恵を受けている。 平壌を始めとする主要都市の居住者はほぼ全てが核心階層である。 一方「敵対階層」に分類された人々は、本人の能力・素行と関係なく、国に反抗する可能性が高いと見なされ、 差別的待遇の対象とされ、進学が出来ないのはもちろん、炭坑地区などへの強制居住などが課される。 「動揺階層」に分類された者でも、将来国への忠誠を覆す可能性があるとされ、職場での昇進に上限線が科せられる。
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