2009/12/02 (水)
今朝のTV。朝飯を食いながらTVを見ていると、きのうの「流行語大賞」。 「草食系男子」がトップ10の何番目かに入っているらしい。 そして、草食系男子が好みだという若い女性にインタビュー。 「自分の思いどおりにしつけれるからいい」など宣うてござる。 (おまけに「ら」抜き言葉やしぃ) はぁ〜。ため息が出るわ、ほんまに。 土曜日の夜、たまに見るさんまの「恋のからさわぎ」。 若い(のだけではないか?)女性が集まってのあほトーク(と言いつつ、熱心に見ている)の番組だが、 そのなかで信じられない発言がある。 男と同じベッド、あるいは同じ部屋に寝ても何もないというのだ。 ふたりっきりで女が隣にいて手も出さないで眠っている場合か、というのがわれわれ世代の思いだ。 さんまもよくそれをいう。
奇しくも昨夜の小野田さんの話はそれに似ていた。 「人としての優しさはだいじです。でも、強くなければ本当の優しさは出ません」。
昭和49年、52歳のとき、作戦任務解除命令をうけてルバング島から帰還し、翌年ブラジルに移住、牧場を造った。 それは自分のための仕事で、10年で軌道に乗せた。 「国を挙げての救援活動でせっかくジャングルから救出されたのに、日本を捨てるとは何事か」 「恩知らず」などと、非難されたこともある。 その中で、ある方が「長い年月、国に縛られた人生を費やしてきたのだから、 これからは自由に、小野田さんの好きなことをやってもいいのではないか」と、私の新たな目標を応援して下さった。 60歳になったとき、このつぎは日本に何かお返しをしたいと考えた。 そんな時、川崎の金属バット事件が起きた。 子供たちの心が病んでいる、荒んでいる。そう思い、健全な青少年の育成に取り組むことにした。 昭和59年、ルバング島の経験を生かし、キャンプを通して逞しい青少年育成のため「自然塾」を開いた。 それがいまの「小野田自然塾」の始まりで、これまで3万人以上の青少年を送り出している。 (ちなみに、この自然塾のキャンプ場がある福島県塙町は、わが女房どののふるさと) 30年間のジャングル生活の経験から、青少年に教えるのは、 人間はたったひとりで、社会から離れては生きられないということ。 また、ジャングルの中での原始的な生活を通して感じた、思った以上に人間は強いものだということ。 木の切り株で待っていると、うさぎが木の根っこで転ぶかも知れない。 でも、道具がないと皮を剥ぐことができません。火がないと食べることもできません。 うさぎを探しているうちに転んで骨を折って動けなくなるかもしれません。 ひとりでは、そこにうずくまって死を待つだけかもしれません。 でも、仲間がいると助けてくれますね。 ジャングル生活では、必要な物はすべて自分で作るしかないので、創意工夫が必要になってくる。 衣服や帽子を作るための針や糸さえも自然の中にあるもので作ったり、代用したりしなければならない。 また、自然の中で生きていると、野生化というか、人間本来の感覚も研ぎ澄まされてくるもの。 人間も自然の一部であり、自然の恩恵を受け、自然と共存しているのだということを、強く感じてくる。 子供たちには、目標を持ちなさい、夢を抱きなさい、見なさいと伝えている。
自分の置かれている立場をよく理解し、覚悟を決めて全力で計画を実行しなさい。 最悪の場合を覚悟しないと全力は出ない。 覚悟がない者に、責任感が生まれない。 「思います」ではダメ、不祥事の弁明でよくある「………ないようにしたいと思います」ではいけない。 責任感を持って、それぞれの仕事に取り組んでください。
わが亡き父を彷彿させる小柄で温和な表情のなかに、芯が通った厳しさ、「極限に生きた」強さを見た。
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