2008/12/17 (水)
朝から冷たい雨。 東京の最高気温が札幌より低い9.2度C。 こういうことが、30年の観測史上でなかったというのに、この冬、2度目なんだと。
昨年もここで紹介した、読売新聞の「全国小・中学校作文コンクール」。 今年も12月3日付けで「文部科学大臣賞」の作品が紹介されたが、破り置いた紙面を今朝、電車の中で読んだ。 さすがにどれも秀品ぞろいで、考えさせられ、またほほえましく思う。 中学校の部は秋田県の由利本荘市立本荘南中学校3年の太田夏実さんの作品。 「夏実は夏実−おばあちゃんからのプレゼント−」。 特に仲が良く親友と思っていた友人が、夏実さんとの距離を置き始め、夏実さんは彼女を信じられなくなってしまった。 同時に、他の友人も信じられなくなり、5月ごろから何もかもを投げ出したくなってしまった。 不登校となってしまったのだ。 そんな彼女に家族が「お父さんの実家」に行くことをすすめ、彼女もそれに従った。
私の笹子(じねご)の生活の初日は、朝の四時から始まった。 祖母が起き出す時間に目が覚めてしまい、もう眠れなくなってしまった私は、何の気なしに外へ出てみた。 空は明るみ、太陽は山の頂の少し上に昇っている。しかし、空気はまだ夜を残してひんやりとしていて、葉っぱは朝露にぬれてきらきら光っていた。 太陽が昇るのを眺めていると、次第に空気が暖まっていくのを感じる。 それは今まで体験したことのない、新鮮な感覚であり、感動だった。 朝、昼、夕、どの時間に散歩をしても、笹子は違った景色を見せてくれる。 私の散歩コースは決まって畑や家の裏山あたりなのだが、毎日、いつ見ても同じ景色はない。中でも私の大好きな畑ではそれを強く感じる。 祖父母の手によりよく耕された畑の土は、いつでも私を優しく包んでくれる。 ふかふかなのに、それでいてしっかりしている土にはぬくもりがあり、私は足下から伝わるその感触を確かめるようにゆっくりゆっくり歩く。 笹子生活の三日目。私は祖母からいちごの収穫係に任命された。 折しもいちごが最盛期で、一日に二度、朝と夕方、両手に収まりきらないほどのいちごを採ることができた。 一日の成長が確かに感じられるいちごに、私は親心に似た感覚を味わっている。
そして、笹子での祖母との生活で教えられる。いろんな人とぶつかることで角が取れてまぁるくなる、と。
今まで私は、いろんな人とぶつかることを避けてきた。 ぶつかることでその人と対立したり、嫌われたりすることがとても怖かったからだと思う。 そうやって今までずっと、角をぶつけずにとがらせてきたから、行き場がなくなった角は、矛先を私に向けてきたのかも知れない。
このあと、彼女は「人といることに気負うことなく」学校生活を再開する。 周囲の人と交わる煩わしさを感じた少女が、自分を見つめ直す作品である。 お父さんの実家で、たぶん山の麓の、草いきれさえ感じる田舎なのだろう、 自然を感受し、土のぬくもりに触れるなかで、祖母のひと言で解き放される。 その描写がすばらしい。 やはり、人間が生きていくためには、自然と土との触れ合いが大切だと思う。 畑を耕している農園日記のみなさん、感受性に富む年ごろのお子さんをお持ちなら、ぜひ、畑にいっしょに連れて行ってください。 日本農業を大切に思うヤツからの願いです。
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(1) 今年も送られてきたJALとANAのバースデーメール。 早めに仕事を切り上げて松坂屋に寄り、片田舎では買えないTopsのケーキを自分で買って帰る。 毎年のパターン。 だから、1週間後のケーキはない。 ついでに、ため込んだスカくじを換金して、年末ジャンボをば。 「いち・なな・で始まる番号をください」。
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