わが社の元会長が秋の褒章を受けることになったのだが、
本人は体の具合が悪く、きのう、奥さんとその付き添いで娘さんが福岡から上京された。
急遽、羽田まで迎えに行く役まわりになってしまった。
ホテルに入るまでの時間、都内観光がしたいとのことで、公用車でまわることとあいなった。

旧古河庭園、浅草寺、銀座、六本木………などなどをご希望。
旧古河庭園は初めてだし、銀座・六本木なんて日々変わっている。
アルマーニ？　東京ミッドタウン？　六本木ヒルズも知らないよ！
こちらが驚くほどだ。
かろうじて、なじめるのは浅草寺ぐらいなもんだ。
浅草寺にしたって、「平日で、なんでこんなに人がわいてくるの？」。
「それにしても、外人さんが多いよな〜」。
いっしょになって、完全な「おのぼりさん」状態になってしまった。

運転手「はい、ここが、このあいだ開店したアルマーニですよ。車止めるからどうぞ〜」。
娘さん、通りから中の様子を窺うが、
「わたしなんか入れる雰囲気にないわ！　ここにいたら、芸能人なんかも来るんですかね？」。

だけど、こっちだって知っているところもある。
「ここが、東大赤門ですよ」
「仏壇通りといいまして、仏壇屋が並んでます。あの○○堂ちゅうのは、山口もえの実家です」
「三丁目の夕日の日本橋ですよ」
「日本一高い果物屋の千疋屋です」
「東京タワーが正面に見えてますよ」
「桜田門の警視庁です。こっちへ行けば農水省です。正面が国会議事堂です」

銀座だって、知ってまっせ〜。
「ここが銀座の中心・四丁目で、あれが和光で上にあるのがセイコーの時計です」
「こっちの茶色い細長いのが、日本一地価が高い鳩居堂で、丸いのが三愛ビル」
（あらっ？　三愛ビルの上の三菱のマークがリコーに変わってる。いつ変わったン？）

六本木だって、知ってまっせ〜。
「乃木大将の旧居跡です。煉瓦造りの建物が厩だったんですって。
馬を大事にされてたんですね。この下が乃木坂で、乃木神社もあります」
「ここが、六本木交差点で、あれがアマンドですわ」

きょう農水省で伝達式の後、皇居で拝謁。

(1) 旧古河庭園。 東京のはずれとはいえ、まだ、こんな所があるんだ。 薔薇が満開。 (2) 説明の必要ない「雷門」。 ただ、この雷門、幸之助はんが造ったとは知らなんだ。 提灯の下の輪っかの部分に…。 (3)