「『農嫁』はNOか?」。
2007/03/22 (木)

harenotikumori.gif ヤンマー農機が平成2年から「今日本の農業がおもしろい」と題した、学生論文・作文を募集している。
第17回の18年度入賞作品集ができあがり、きょう職場に届いた。
今年の大賞は、明治大学農学部の女子学生がまとめた「『農嫁(のうか)』はNOか?」。
この題材に惹かれ、ぜひ読んでみたいと思っていた。
副題は「〜農家の嫁不足への提案〜」。
「本論文では農家の嫁のことを農嫁(のうか)と呼ぶ。
農嫁は、農家を継ぐ男性に嫁ぐ嫁のこととする。」という前文で始まる、
十数ページにも及ぶ大論文だが、エキスを紹介したい。

多くの人が農嫁にマイナスのイメージをもっている。学生に農嫁に対するイメージを聞くと、「仕事が辛い」「時分の時間がない」「嫁姑問題が激しい」「家族内での地位が低い」などのマイナスのイメージをもっている。しかし、取材で出会った農嫁は元気で明るく、農業の楽しさや家族の自慢を話してくれた。
農家に嫁いでしばらくは共働きをしていたが、その後に農業に従事するようになった農嫁には、農業をする気はなかったという人もいた。しかし、以前の仕事に戻りたいという農嫁はいなかった。別の調査でも、農業従事前と現在の「仕事のおもしろさ」の比較では、84%の農嫁が「おもしろくなった」と答えている。
「共働き」は夫婦が別々の場で働くことを指すが、農業に従事する夫婦は「伴働き」である。農嫁は夫と対等で伴に相棒として働いている。農嫁も立派なキャリアウーマンであり、自信を持って仕事に取り組む農嫁は、どんな女性よりも輝いている。農家の仕事はNOか?そのようなことはない。キツイ、キタナイ仕事(マイナスイメージもっている人が思う)もあるが、それ以上におもしろさ、やりがい、そして魅力が溢れている。農家の仕事はYESである。
子育てについても農家の方が断然有利である。姑の育児援助がある農家はまさに子育てをしやすい環境にあり、聞き取りをした農嫁の子どもの平均は3.1人であった。それは、同じ敷地内に別棟で生活することにより、今の農嫁は自分の「場所」と「時間」をもっているからであり、嫁姑の間にはお互いを思いやる「感謝」の気持ちが生まれているからである。だから、「嫁姑関係」は思われている以前のようなことはなく、決してNOではなく、YESなのである。
「仕事」「嫁姑関係」が農嫁にとってYESだとすれば、もはや農嫁はNOだという理由はなくなり、農嫁はYESとなる。農嫁は家事に、仕事に、自分に自信を持ちながら充実した毎日を送っている。
それは、農嫁は、夫からの愛、姑からの愛、地域からの愛があるからこそ取り組めるのである。
いま、私たちは「農嫁はNOか?」と聞かれたら自信をもってこう答える。
「いいえ、農嫁はYESです。私たちの、憧れです」。

と、論文を締めくくっている。
いかがですか?
農園日記のなかにはプロの農家の方もおられると思うが、
いまの農学部生、まんざら捨てたものでもないでしょう?

 
蘖ひこばえの菜園作業メモ
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