どっぷりと日が暮れた夕方７時過ぎ、今日の仕事も無事に終え事務所棟を出て駐車場へと向かう。
今にも降り出しそうな空を見つめながらマイカーのある駐車場へ向かう通路。
あれ？

昨日の夜も、そして今朝も気が付かなかった。
風の無い、だだっ広い駐車場に充満した金木犀の香り。
こんもりとした垣根を見ると、小さな橙色の花が木いっぱに咲き乱れている。

ようやく秋本番だなー。
今日は、久しぶりに本でも読んでみようかなー。

帰宅途中、車中で秋の夜長の過ごし方に思いを寄せていると携帯が震える。

もしもぉ〜し、お久しぶりでーす♪

電話の主は、この日記に度々登場する、あの居酒屋の女の子。

最近、いらっしゃらないって聞きましたけど、どこかお身体でも悪いのですか〜♪
いえいえ、とっても元気ですよー、今週、健康診断があって、それで・・・。

一応の説明はするが若い子には解かる筈も無い話。

あのー皆さんが色々とお話があるそうで、少しでも寄って頂けないかって言ってらっしゃいます♪
えーーそうなの？どんな用事かなぁーー聞けます？

電話の向こうで聞きなれたダミ声やら酔っぱらい特有の外れたアクセントの大声が聞こえる。

あのー来て頂いてから話すって言ってらっしゃいます♪
気が向いたら行くって伝えてください、ほんじゃー。

行けば飲まない訳にはいかない。
願を掛けているつもりではないが飲んだら今までの苦労が。

どちらにしようかと散々悩んだ末、もし結果にＢ判定があったら、これが原因だったということにしよう。
そう左耳の奥から声が聞こえてきた。
右耳の奥からも何か聞こえているような感じはしたが、素知らぬ振りをして、寄り道。

ほんなもん、いつもの普通の生活をして、検査しな何にもならんじゃねーかー。
ほーだほーだ、誤魔化してまったら、あかんわー。

用があると聞き、わざわざ遠回りして寄り道をしたというのに、たいした話はなくて節制していることに対しての説教部屋と化した居酒屋。

あのぉーーーじゃー聞きますが、来週試験っていう時くらい勉強するでしょうが、え？どうなんですか〜皆さん。
ほれとは違うじゃろー。
いいや違いません、皆さんの理屈だとその時だけ勉強しても、いかんちゅうことじゃないですか。何もしない普通の学力で試験を受けろと言ってるようなものです。

あのぉ・・・ちょっと聞いても良いですか〜♪
じっと聞いてた、元バイトの子、不思議そうな顔で覗き込んできた。

うん？何よ、言いたい事があるわけ？反論したいわけ？なによ、言ってみやー。
あのぉ〜１週間も前から勉強するんですね〜、私なんて、いつも一夜漬けでーす♪

あは？？
あははは・・・・・・。

そやね、一夜漬けで良いかもね。
その一言のお陰で、楽しい秋の夜の、ひと時が過ぎたのでした。


画像左：窮屈なキャベツ（寒冷紗いっぱい（＞＜））
画像中：寒冷紗を外したキャベツ（虫食いが心配（´｀））
画像右：独りばえのゴーヤ真っ盛り（かなわんな〜（××））