2005/12/15 (木)
雪なのか霜なのか白さがさほど気にならなくなった朝。凍てついた草木の気持ちも忘れ気味。この、どんよりとした鉛色の空はいつまで続くのだろうか。
昨日に続き薄っすらと白い物が見える外の景色。探検隊との朝の挨拶もビオラ苗のチェックも、したいとは思えない寒さ。朝刊を取りに行く元気も無く出勤時間まで家の中で、じっと固まる。 余る時間、朝のニュースはどこを見ても耐震偽装のオンパレード。もう見たくもないが、耳には聞こえてくる。
「生活に困るからやったんやてー、その割にええ服着とるやんかーなぁー」 『車なんか、ベンツやでベンツ』 「うそ!マジかよーー。ほんで生活に困るって言われてもピンと来んやんなぁーー」 『がははは・・・それもそうやわ万年作業服で、土日は畑用のジャージだけやもん、そんな人には解からんやろ』 珍しく早起きしたグータラ、ここまで大きくしてもらった恩も忘れ、なんちゅう好き勝手の言い方。
「ふん!どうせ作業服じゃわ。ほっといてくろ!これがうちの制服なの」 『知っとるって、ところで〜こうゆう偽装って会社にねぇーの?』 「あん?ちょっと感じは違うけど、やろーと思えば出来るんやないかな。もちろん建設じゃーないけど」 『ほぉーーん、ほんならやっぱり安くできるわけ?』 「ほりゃーある意味、手抜きってことやから安くなるのは間違いないわなぁー」 『誰かやっとるってことはねぇーの?』 「あほか!誰がやるか、こんなこと。うちらエンジニアには誇りがあるの。こんなことして何になるんや」 『ふんでも会社のエライ人から言われたら、どなるの』 「アホ!部長が言おうが社長が言おうが、お客さんが言おうが、純ちゃんが言おうが、雅子さんが言おうが、やらんもんはやらん。プライドを捨てたら人間じゃねぇーの」 『ぎゃははは・・・純ちゃんとはおもしれぇーー。で、なんで雅子さんなの?普通なら天皇陛下じゃないの?』 「ええの、それは好き好きってもん、皇室ならみんな一緒やろ」 『そんな、むちゃむちゃな』
「でも、あれやでー。こんなんやったとしたら、たとえバレなくても一生気持ち良く生きれんやろなぁーー」 『おーーおーー、さすが、ええこと言うやん』 「あったりめぇーよ、ベンツには乗れんし給料は安いけど、うちの野菜はうめぇーやろ」 『はぁ〜?なんのこと言っとるの』 「解からんの?」 『全然、なんで野菜になるのか、まったくチンプンカンプン』 「あかんなぁーー、もっと修行せんかい」
貧乏親子の朝の会話は、わけのわからない事から始った。
「おーほれみろ、真面目にやっとるから〜こうゆうの貰えるんじゃわ」 チラチラと見せる、Bの文字が入った紙切れ1枚。 『なんやねーこんなちょっとばか』 「おめぇーエラそうに言うな!っちゅうの。今なら〜この偽装事件の元一級建築士より金持ちかもしれんのやぞ」 『おぉーーーなるほどなるほど、そういう解釈もできるかーー』 「だろ、見直せ。あほんだら」
『ちょっと、あんたらアホちゃう。そんな話聞いとると悲しなるで止めてよ!』
なんで悲しいのだろうか、我々二人には皆目見当つかず。
画像1:ぎゃはははは・・・(今日の心境)
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