2005/12/06 (火)
暗闇に青白い閃光が走る。金属はおろか人の手さえ、触れるのが恐いと思う静電気。大陸の乾燥気候は桁外れにひどい。
中国出張最後の日。帰国のフライト時刻は午後2時、空港へ直行するには有り余る時間。ホテルのチェックアウトを済ませ通常と同じく事務所へ出勤する。 今回の出張目的である新工場については大きな問題点が1点ばかり残り、その解決策が見出せないままの帰国。後ろ髪引かれる思いは少し残るが、このまま滞在するわけにもいかず現地中国人に全てを任すことに決める。
2時に天津空港を出ればセントレアに着くのが5時半。遅くとも8時過ぎには自宅に戻ることが出来る。東京近辺への出張となんら変わりない移動時間、楽になったものだと感心。
空港へ向かう車は12時過ぎに出る予定、それまではこれといってすることも無し。 畑はないが事務所でボーとしてるよりはマシ、少し寒いが外に出て散歩。
『何処化似、御出掛出素可?』 「ええ、ちょっと散歩にでも」 『自転車有真素、必要無出素可?』 「ええ、大丈夫です。歩きます」
まだまだ自家用車としては価格が高い車、一般の人はほとんど持っていない。せいぜいバイクだが、それでも〜かなり裕福な部類に入る。 こちらの人の手ごろな移動手段は、中国の代名詞とも言える〜ご存知自転車。車やバイクに比べ圧倒的に多い。 新品で買っても¥1500足らず、中古なら¥200くらいからザラにあり、これくらいなら誰にでも買うことができる。 日本ではあまり見かけない、原動機付きも至る所で走っているから中々笑える。
日中でも氷点下の気温でさすがに寒い外、底冷えという表現がうってつけのような感じ。
陽射しが当たり風除けができる場所は、気温よりずっと暖かく感じられ、雨宿りならぬ風宿りをしながら街並を抜け空き地へと足が向く。 あろう筈も無い畑や家庭菜園を探すが〜やはり見当たらず。 境界を作る植木らしきものはあれど、芝が植えられているだけで花壇すら無い殺風景なちょっと裕福な家庭の庭。 その植木達も土ぼこりにまみれ緑の葉っぱは全て白く薄汚れている。
北風に流れ、オンボロ車が通る度に舞い上がる土ぼこり。
ザザッーー、ザクザク、ジャキジャキジャキー。 どこかで何かを削るような音。 音のするほうへ近づいていくと数人の人たちが平たいスコップで雪かきにように土をスコップですくい袋に詰めている。
なんやねん道路工事か。 一見すると道路工事だが、実は違っていた。道路脇に貯まった土を順々に片付ける作業。 延々と続く道路を反対側の車線と2チームで黙々と広い上げる。集めては貯まり拾っては落ちてくる、キリがあるのだろうか?途方も無い作業。
『ちょっと雨が降るとすぐに水溜りが出来て歩けんようになってまうんやわー』 以前、在住の日本人から聞いた話。その時は気にもかけていなかったが、その理由が今更ながらに解かる。
なんとこの街にはドブ、排水路、側溝というものがまったく見当たらないのだ。 日本なら雨と一緒に流れてしまう土やホコリ。側溝もドブも無い道路、流れる場所が無く毎回道路脇に貯まるだけ。乾燥してくれば〜またそれが飛び散り、いつまで経っても増える事はあっても無くなりはしない悪循環。
そのため、こうして定期的に巡回しながら土を取り除く仕事が必要となるのだろう。
どして作らんのやろ?側溝くらい作れば、無駄な土掻きもしなくて済むのに。
中国で側溝掘りの商売、初めてみようか。 言葉も通じないが真剣に考えた瞬間。
(どこにも行かず、ネタになる写真もなし(><)) 画像1:近くの団地(アパート) 画像2:空き地、水溜り(貯水槽?)
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