2005/11/03 (木)
しとしとと冷たく細かい雨が降る。まるで初冬を思わせるような気温に身を縮ませる。
気分が暗いと天気まで悪くなるのだろう、自分中心に世界が廻っていると考える自己中心的な人間の朝は畑のチェックから始まる。
今日は文化の日。世間一般は休みだが、うちの会社は平常営業。 いつもと同じ時間に起き出かける準備。普通なら1時間強かかる通勤時間も、祝日は別もの。30分はゆっくり出発してもゆうゆう間に合う。 もしも信号が無かったのなら、いったい何分で行けるだろうか。つまらない事が気にかかる微妙な年頃。
出勤準備を整え畑のチェックに出かける。今にも降り出しそうな空を見つつ、片手にマイデジカメを持つ。
このところ、もっとも気になる第一畑の玉葱苗。 早生玉は50日を過ぎ、見るからにリッパな感じになってきた。自宅にあった頃とは明らかに違う、徒長気味だった葉っぱもシャキシャキと立ち、株元の太さも4,5mmは十分にある。 アトン、ラピュタU、泉州、赤玉の苗箱も自宅から畑に移動し、4日目を迎える。1本1本の葉が朝露を弾き元気一杯。
日曜に定植したイチゴ。枯れた感じも無く、まずまず順調そう。 孫カブ、ひ孫カブ、玄孫カブ、途中までは覚えていたが〜今となってはどれがどれか不明な状況。去年までなら、キッチリと孫カブだけを定植したが今年は思わぬ失敗でひ孫、玄孫までを植え付け。 果たして実が成るだろうか?任せなさいと言ってはみたが〜内心、一抹の不安は拭えない。
地上部が長くなってきた大根、そろそろ旬真っ盛り。 その大根、予想外だったのは打木源助。日記作者の方から種を頂き、播く前にタキイの製品カタログで調査。肉質は細かく味は良し、やや小ぶりとの説明に間隔を少し狭め、30cm弱とした。
野菜の中でも作りやすさはトップクラスの大根、うちも毎年好んで作る。普通サイズの大根であれば株間30cm。もう少し密植も出来ると思うが〜拘りがあり他の野菜に比べればかなり待遇が良い。 地上部に中々出てこなかった源助大根、やっと見え始めたが〜予想に反しかなり太め。てんぐ大根と比べても一回りは違う。嬉しい誤算ではあるが〜これだったらもう少し株間を広くしなければならなかった。
少し遅めに播いた耐病総太りと聖護院は、まだまだ太ってきたと言うには程遠いが〜良い感じの葉っぱの出方に顔がほころぶ。
ブロッコリーも赤ちゃんの握りこぶしほどの小さな花が付き出し、一安心。種を播いてから3ヶ月半、長いような短いような複雑な心境。
充分堪能できた畑で数枚の写真をとり出勤。 予想通り混雑も無い通勤路。快適なほどに車は進む。後ろにつく車も前を走る車もない。毎日気に掛けている畑の近くは目一杯速度を落とし、怖いほどの脇見運転。 それでもいつもより早く着いた会社。パソコンの電源を入れ自販機のコーヒにありついていると携帯が震える。
『おーあさっての土曜、どうやー』 「え?あさって?」 いつもの仲間からの電話。休日にどうやと言えば、まずゴルフ。
『ええとこ見つけたんやわ、ええ子もおるでよぉー。終わってからパーッとやろめぇー。やっとうなんもやってねーでよ、久しぶりやんけー、な、ええやろ』 頭の中の脳が素早く考える。陽気の良いこの時期にゴルフ。今週の土曜は天気も良さそうで〜きっと爽快に違いない。そして終わってからの反省会、程好く疲れた体に染み込むアルコールが日頃のストレスを解消してくれるのは間違いない。 よし、行こうか。行くって返事しよか。
頭の片隅に今朝見た苗達の姿がチラチラと浮かぶ。けなげに一生懸命大きくなって来た早生玉葱の苗、虫に食われながらも必死に巻だした白菜やキャベツ。 今週はなにかと手を掛けられなかった、その他の野菜達。
「あかんわーちょっと用事があるんで・・」 『なんやーそうか、なんとかならんのかー』 「ごめぇ〜ん」 『なぁんや〜。まあええわ、しゃーねぇーわ。ほんならまたな』 断る事などめったにない付き合いの良さだけが取り得の人間が、嘘を付いてまでもお断りをする。
もちろん特別な用などない。しいてあるとすれば早生玉葱を植えることだけ。 100本に満たない早生玉葱の苗、植えるに時間など掛かりもしない。が、何もしなくても〜あれこれと考えながら畑にいる時間が楽しい。 生活の為、生きてく為の仕事ならこれほど好んで出来たかどうか自信はないが、うちは〜あくまでも趣味、家庭菜園のレベル。手かせ足かせもない気楽な菜園。
しかたんないやん。ゴルフよりも飲み会よりも、今は好きなものがあるのだから。 よし!今週末も畑三昧だ!
画像1:打木源助大根(てんぐ大根に比べ一回り太い) 画像2:YRてんぐ大根(細くて〜長い)
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