イライラ病
2005/09/22 (木)

kumori.gif 窓越しに見える緑、特別に色濃く感じられた朝。昨夜降った雨のせいだと解かるまでに多少の時間が掛かる。僅かな雨でも嬉しい。

少ないが久しぶりにお湿りがあった朝、ポット苗のチェックはせず日曜に播いた玉葱と大根の様子見に行く。
耐病総太り、聖護院、どちらも小さな開ききってない芽が半分ほど出ている。まだ出てないところもあるが〜まあ予定通りもうしばらく様子見。

畑に播いた玉葱の猩々赤とOK黄、発芽の兆しは全く無い。厳重に囲った寒冷紗を外し、近眼メガネも外して見てみるが、やはり変化はない。
あちゃ〜〜どうなってんの、これ。苗箱に播いたのも、あかんのやろか?まさか〜貰ったアトンまで出て無かったら、やばいやん。

畑でのチェックも早々と切り上げ苗箱に播いた玉葱をチェック。
まばらではあるがアトンは、あちこちから発芽してホット一息するがラピュタUはまったく変化なし。
ありゃーーーやっぱり2年前の種ではダメかなぁーー。全部とは言わず半分、いや1/3でも良んやけどなぁ〜〜。

発芽してこない種の様子を見ようとあちこちを突いてみるが〜種らしいものの形すら見当たらず。どうやら播きなおしが必要なようだ。
くっそぉーーーダメならダメで種の色が黄色くなるとか、そうゆうの無いんかなぁーー。勝手なことを考えてみるが玉葱の発芽率は他の種に比べ年々悪いことは先刻承知。

発芽した早生玉葱、いつの間にか徒長しまくりで何本か倒れているものもある。
倉庫から培養土を持って来て、細い苗を立てながら恐々土寄せ。

やっとひと段落して時間を見ると、いつもの出勤時間は〜とうに15分も過ぎている。
慌てふためきながら車に乗り出発。

どうしようか、もう少し待ってみるか、それとも播き直そうか、同じ種にするか買いなおそうか。頭の中を玉葱の悩ましい問題が行き来する。
ふ〜あんまり考えてもいかん、ここはちょっと一服でもして。
胸のポケット、右側の四角な膨らみは携帯電話。左のポケット、そっちの四角い膨らみはタバコ。
あれ?ないやん?あちゃぁーーー置いてきてまったやん。慌てた出掛け、どうやら家のどこかに置き忘れてしまったよう。

それでなくても遅れて出発し遅刻の恐れは充分にある。遅刻、タバコ、遅刻、タバコ、う〜〜〜〜、どっちを取るかどっちを優先しようか。
1時間少々かかる通勤時間の車中、考え事にはもってこいの場所。そして考え事に付きものはなんといってもタバコ。誘惑には我慢できない。
車を左側一杯に止め、まだ開店前の写真屋さんの自販機に向かう。

ついてない時はタイミングも悪い。かなり年配のお年寄りが先客として自販機の前に立っている。

白髪頭の白髪も残り少なく、白くなったあごヒゲも無精ひげが〜ただ単に延びたような無造作な生え方。
動くしぐさも、かなり危なっかしいような、ザックリ見ても80はトウに過ぎているような、おじいさん。

黒い小銭入れを左手に持ち、自販機のタバコの見本が並ぶウインドウを上から順に見回している。
おっさん何買うんよ、“しんせい”とか“いこい”なんてもう無いんやで、どっかの店に行かんと自販機には無いの。わかっとんの。それとも〜あれ、ハイライトかいな、それやったら一番下の端っこやて、ほれそこだっちゅうの。

のっそりとした動きに半分切れながら、心の中でごちゃごちゃと考えてみる。

ウインドウを隅々まで見て買うものが見つかったのか小銭入れの中を探り出す。
カチャ、カチャカチャカチャ。何度も小銭入れをかき回す音が聞こえる。
おーぉーぉー十円ばっかりとちゃうかぁ〜〜?二百七十円は要るんやで〜わかっとんの。百円は持っとるんやろねーーー。白いヤツやよ、白といっても軽いのはダメ、ちょっと重ためでギザギザがついたヤツやよ。自然と考える我が脳みそ。

やっと見つけたのか右手に硬貨らしき物を持ち、今度は硬貨入れを探してるような目つき。
そこ、そこ、そこーーーー!!そこにあるやん。
テレパシーが通じたのか硬貨を持った右手が硬貨入れに近づいて止まる。半分入れかかったような際どい位置。
あれ?どうしたん?あんな微妙な位置で止めれる運動神経あるんかい、ほんだったら早よぉーしてよ。また考えた、ぢぶんの右の脳みそ。

止めたまま、ウインドウを上から順に確かめるように見渡す。
なんでやねん、どれだか知らんけど、さっき見たやん。見たから〜お金出したんちゃうんかい。今度は左がわが考える。

一通りの見渡しが終わり、手から離れた硬貨。
ガチャガチャーン。赤いデジタル表示が¥100を現す。
よしよし、もう後二百円、パッパと入れてくろ。こっちは〜急いどるんやから、頼むよーー。

考える間もなく小銭入れをさぐる、じっさまの右指。
ジャリジャリ、ジャラジャラ。
最初の百円に比べれば数段早いスピードで見つけた硬貨。
固まるなよーーそこやど〜〜入れるとこ、ほれそこ、チャラリーーーンって入れてみ。ほれほれほれーーー。
儚くも通じない願い。ウインドウこそ見ては無かったが硬貨入れを見つけるのに最初の倍の時間が掛かる。

あのさぁ〜〜そういうのは目で探したらあかんの、さっきやったんやから本能でせなかんの。手がどの角度でどんだけ伸びたら入れるとこがあるか、身体はちゃんと覚えとるんやから、考えたらかんの。
よし、二百円までいったから後〜百円、きっちり入れてくろ。頼むよ。

黒い小銭入れから取り出した硬貨の色、それは間違いなく百円より少し大きめな茶色の硬貨。
あちゃ〜〜十円かよ、参ったなぁーーもう。まあええわ、こうなりゃ最後まで付き合ったるがね、もう遅刻してもええわ。いつまででも待つから好きなようにしてくろ。

相変わらず小銭入れを探りスローモーションのように一枚づつ入れる十円玉。気が遠くなりそうな長い時間が過ぎやっと自販機の表示が270円を示しウインドウのランプが点く。
小銭にを入れるために活躍した右手、硬貨入れから離れ〜だらんとしたまま身動きもしない。

どうしたん?おっちゃん、こら、固まったんけ?ちょっと、どうしたん?
二呼吸の3倍の時間はあったような気がする。そろそろと動き出した右手が目的のボタンを押す。

グーーーーゴトンゴトン、ボトン。

屈んだ腰をいっそう屈め出てきたタバコを拾う。
やったぁーーーパチパチパチーーー!すんごいぞ、えらいぞ、良くやったぞ。さぁ〜変わってくろ、今度はこっちの番やから。

屈んだままの姿で拾い上げたタバコを左手に持ち替え右手は釣銭返却口へと伸び、太く短い人差し指でかき回しながら覗き込む。

こらっこらぁーこらぁーーーー!くそじじぃーーー!270円きっちり入れたやんけーお釣りなんかあ〜〜せんの、チャリーンって音もせんかったやないけ、なに考えとんじゃ!まったく。
早よぉーーーーどいてくろっちゅうの!

何も無かった釣銭返却口にガッカリしたような態度で立ち上がり、後ろで待つ若い兄ちゃんには、一言の挨拶もなく帰っていく礼儀知らずな、くそじじぃーー。

ばぁーーろぉーーー!もう二度とこの自販機では買わんわい。


画像1:白菜
画像2:たけのこ白菜
画像3:朝のイライラ

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家庭菜園してます。
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