2005/09/17 (土)
何時間も持たない爽やかな朝の気温。思わず日陰に入りたくなるような日中の晴天。まだまだ南の高気圧が強いようだ。
持ち帰った仕事には目もくれず11時前に就寝した昨夜、朝6時きっかりに目を覚まし畑作業に入る。 まずは予定通り白菜畝作り。少し高めにした畝を鍬で何度も抑え、定植する場所を足で軽く踏む。なにやら白菜は少し固めの畝が良いと聞いた覚えがあり理屈は知らないまま同じ作業を繰り返す。
朝食を挟み白菜と茎チシャを植え、次は残ったジャガイモ、デジマの植付け。先週植えた物よりは芽の出方が少なく理想的な感じ。苗箱ごと持って第二畑に行く。
チリチリチリリーン〜。 第二畑に行く途中、自転車に乗った畑のおばさんとすれ違う。 畑のおばさんは近隣に3箇所の畑を持ち、朝早くから〜あちこちを見回っている。最近は陽気が良くなったせいか自動車での移動は止め、主に自転車での移動がもっぱら。
『今日はなにやりゃーすの』 「じゃがいも植えるんです」 『先週、植やーせなんだ?』 「ええ、先週も植えましたけど残ってるんで」 『そうかねーそりゃーええがね。ちょっと見せてまってええかね?』 「どうぞ、どうぞ」
キャベツやブロッコリーの虫食いから始まり白菜のあれこれ、秋ジャガの種類や芽だし法、イチゴの肥料、黒豆の芽摘みなど、ジャガイモの植付けも忘れ小一時間ほど畑談議。 『さつまいも掘りゃーた?』 「いえ、まんだ掘ってないです」 『わたしゃー掘りたてしょーがねぇーの。ほんでも、うちの人に言ったら怒られてまうでねぇーー』
畑の主体は、もちろんこのおばさん。だが事あるごとになんやかんやと口を出してくるおじさんとは毎回、意見がくい違う。 「まだ、早いんと違います?なんか〜葉っぱが開いてくると良いって聞きましたけど」 『あら、ほうかね。本にけぇーたったかね?』 「いや、ちょっと聞いた話です。本職みたいな人からですので〜たぶん間違い無いです」 『ほりゃーええこと聞いたわ。そんなら、ちょっと見てこなかんわ』
いつもの倍のスピードで自転車を漕ぎながらサツマイモを見に行った、おばさん。 この隙に植えなければ、またいつなんどき誰かが来るかもしれない。 じゃがいもを植え付け周囲の草取りをしているところに、おばんが帰ってくる。
チリチリリーーン。 鳴らさなくても良いのに毎回鳴らすのは戦前生まれからだろうか、それとも〜ここで止まるんだと自分自身に言い聞かせる為だろうか。良く解からないが、鳴らさなければ止まれない、おばさんの自転車。
「どうでした?さつまいも」 『これ見てみゃー。ちょっと葉っぱがひれーとったような気がしたでねー』 自転車の後ろのカゴに入れたサツマイモを取り出し、二人の間にそっと出して見せてくれた〜おばさんの手の上に乗ったサツマイモ。 「すごぉーい、大っきいじゃないですかぁーーー 『よぉーけとると、怒られるでねぇー。横のほうから一個だけさぐってみたんだがねー』 「これだけ出来とりゃーええじゃないですかーー」 『なんかに食われてまっとるだけ、かんわねぇー』 「いえいえ、これくらい全然、大丈夫ですよー」 少し食われてはいるが、おばさんの手よりは数段大きな赤い色をしたリッパなサツマイモ。
『去年はねぇーほんとできなんだでねぇー。恥ずかしかってねぇー外も歩けぇーせなんだがね』 「ええ?そうでしたっけ?」 『しりゃぁーせんと思うけど、葉っぱばっか繁ってネズミの尻尾みてぇーのばっかやったでねーー』 「へぇーーーそうだったんですー」 『今年もあかんやろ思っとんたんやけど・・・』
誰に話すのでもなく、そっと感激を噛み締めて言う、おばさん。
何十年も畑仕事をしてきた人が、今年初めてサツマイモを作った人のように〜どうしてそんなに気になるのか? 不思議でならなかったことが、ようやく理解できた。長い畑との付き合い、色んなことがあるもんだ。
これから〜このサツマイモで鬼饅頭作るでね。 そう言って、さっきとは比べ物にならないほどゆっくりしたスピードで動き出した、おばさんの自転車。 気にしていたサツマイモが出来てて、肩の荷も下りたのだろう。
お疲れさまでした。今日は、ゆっくり味わって食べてください。
もし〜余れば、鬼饅頭待ってますからーーー。
画像1:サツマイモとおばさんの手 画像2:トマコン報告(写真は、後日)
番号 | 名前 | 本日収穫数 | 合計 | @ | レッドペア | 0 | 112 | A | イエローペア | 0 | 69 | C | ミニキャロル | 7 | 314 | H | ワプシピニコンピーチ | 0 | 0 |
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