いつからだろう、日陰に吹く風が心地よく感じられる。日の当たる日中は、まだまだ暑くて逃げ出したい気分なのに。

待ちに待った土曜、早朝からキャベツなどの定植準備にかかる。この１週間で見る見る虫に食われた苗達、１ポットずつ取り上げ小さな青虫を潰しては水遣りをする。
キャベツ定植予定地は既に畝作りまで完成しているがブロッコリー、カリフラワーなどを植える所は荒お越しさえしてない。先に定植するか、それとも耕しが先か、少々考えてみるがやはり涼しい朝に力仕事をすることに決める。

４．５ｍ＊３．５ｍほどの場所、スコップで掘り起こしながらの耕し。元々はトウモロコシ、地這いキュウリが植えてあった場所。それほど根が残ってる訳でもない。
耕しが終われば苦土石灰を撒きスコップで混ぜ合わせジョウロで水遣りをして放置する。
今日の天気ならすぐに乾く、夕方には牛糞を鋤き込み定植は明日の予定。

かなり日差しも強くなってきたが〜続いてキャベツの定植をする。
中晩生キャベツ１０本、早生キャベツ６本を植え乾燥防止に藁を敷き、虫除け兼日差し除けに寒冷紗を被せる。

『おはよーごぜぇーます』久々に畑のおばさんの声。
「あっ！おはようございます」
『ちょっと、聞きてぇーことがあってね。忙しいのにわりぃーねぇー』
「いえいえ、ちょうど一休みしようと思ってましたので」
『あのねぇー、こねぇーだ一緒に行って買ってきた、牛糞なも。あれは〜肥になるじゃろか』
「肥っていうか・・・堆肥みたいなもんですよ〜たぶん」
『あれ？やっぱりそうーかねー。どんだけやっても効けせんでねーどういうもんやろ思って、いっぺん聞かなかん思ってねぇー。ほんなら鶏糞のほぉーが、ええかね？』
「肥料にするなら鶏糞ですよ。牛糞は肥料にはちょっとならんかもしれないです」
なるほど、なるほど〜そう頷いて納得する、おばさん。
『こねぇーだ買ってきたのは、まんだ使ってりゃぁーす？』
「いえいえ、もう無くなったんで、お盆にまた買って来ました」
『あっそうかね〜。そんなに、よぉ〜さん使やぁーすの？』
「ええ、どっさり入れてます。今、耕してるここにも１袋入れたろって思ってますし」
耕した場所をジロジロと見ながら納得したかのような、おばさんの顔。
『わたしも、もっとはよぉー聞かなかなんだわ、ありがとねぇー』
「いえいえ・・・」

それからしばらく、定植予定のポット苗を見ながら畑談議。
今年おばさんが播いた種は予想以上にガッシリとした苗になったらしく、その方法を事細かに伝授して頂く。
腐り易い秋ジャガを、いかにして腐らせず芽を出させるか。秋ジャガの新たな芽だし（とやし）法もついでに教えてもらう。

『売ってる苗のようには、中々ならんでねぇーー』
「ホントですよね〜あれで￥５０ですから、かなわんです」
いつも決まったように〜店先に並んだ苗の見事さに感服して終わる二人の畑談議。


毎年８月最終の土曜に開催される市民花火大会。今年も２７日の今日、行われる。
何週間も前から場所取りしてある堤防の上。２時間弱という短い時間をいかにして楽しむか、皆それぞれの想いで集まってくる。

家の前の道を、まだ明るい５時頃から続々と歩いていく人達。
時間の早い最初は子供を連れた家族連れ、孫に引っ張られながら歩くお年寄り、現役は退いたと思われる年配の夫婦など、時間に余裕を持ちながらゆったりと通り過ぎる。
少し暗くなりかけた６時過ぎ、今度は中学生や高校生などの集団が浴衣などを着こんで和気あいあいで歩いていく。そして暗くなりかけた７時近く、花火という名分を持ち二人だけの時間を楽しむかのように若いカップルが足早に通り過ぎる。

カップルが来たから、そろそろやよ、椅子用意しといて。おじいさん達呼んでくるから。

ウッドデッキ上に置いてある背もたれが有る椅子２つ、家の中から小さめな丸椅子２つ、庭に並べ〜背もたれがある椅子に座布団を乗せる。

大会も始まり身体を震わせるような花火の音が鳴り始め、ようやくやって来た〜お爺さんとお婆さん。
ビールグラスを片手に打ち上げられる花火を、ひたすらに見つづける４人。
おー！きれぇー！すごー！
感嘆の声はすれど会話らしいものは無い。
これでもグータラが居れば少しは違うのだろうが〜今晩は年老いた４人だけ。

華やかな２時間弱の花火大会、瞬く間に終わりを告げる。
家路を急ぐ人の群れが玄関前の道をまた通る。集まるときとは全く逆の順番で。

わしゃー帰るうぇー、ありがとねー。
座布団とグラス、ビールの空き缶を片付けながら、椅子を片付けてくれと言い残し家の中へ。

無造作に並んだ庭先の４つの椅子、主が居なくなり寂しげに見える。
うちの夏も終わった。


画像１：トマコン（レッドペア１１個イエローペア２１個ミニキャロル６５個）
画像２：花火

番号	名前	本日収穫数	合計
�@	レッドペア	１１	１１２
�A	イエローペア	２１	６９
�C	ミニキャロル	６５	２１７
�H	ワプシピニコンピーチ	０	０