戦前の人
2005/07/02 (土)

harenotikumori.gif 弱々しい薄日が空一面に広がった灰色の雲の隙間から覗く。蒸し暑い。

初採りの水ナス、きゅうり、ピーマンなど大きく成りすぎた野菜の収穫から朝の仕事を始める。
第二畑の鹿ケ谷南瓜も2個ほど実がついている。予想より大きくてしっかりした瓢箪型。見てるだけでも〜なんとなく楽しくなってくる。(早く食べたいものだ)
その他にも大きく咲いた雌花を4個ほど確認し、早速受粉。
えびす南瓜の受粉作業は1週間前から中止。ざっと数えても15個ほど大きくなりつつあり、これ以上増えても処理しきれそうにない。

病気になったミディートマト、茶色く変色した茎の範囲が広がりだした。抜き取るのが良いのだろうが、葉っぱは元気そうだし順調に実も色づき、青い実もかなりの量付けている。
病気が移ったと思われたサターンも、2個の尻腐れを採り除いてからは変なところは見当たらない。第1段花房の実3個、第2段花房も1個収穫済み。その他にも3個ほどが色づいてきてる。どうしようか?ひどくならないなら、このまま様子を見たい気がする。

『おー、がんばっちょるなぁーー』久ぶりに畑仲間のおじさん。
「あっ!お〜ざぁーーす」
『今日は、なにやっちょるじゃ』
「えっーー、ちょっと・・」トマトが病気とはカッコ悪くてとても言えない。プライドが許さないというか〜負けず嫌いの証拠。
『なんやぁートマトけぇ?おーっ、ええふやね〜〜か』
「えっ!?そうっすかね〜〜」
『今年は、おめぇーどこもやまいじゃうぇー。肥えやり過ぎたとこは〜みんないかんじゃわ。おめぇーさんは、あんまりやってねぇーけ?』
「そう言やぁー、少なめかですかねぇー」
『ひぃー・ふぅー・みぃー、もうへぇー3段まで赤ぁーなってきちょるがや、もう採っとるじゃろ?』
「え〜だいぶ食べましたけど〜ちょっと病気っぽいんですよー」
最近、時間がなく他所の畑の調査にも行ってないが、他所も病気が多いと言われれば〜恥じることもない。ここは〜正直に言い出してみる。

『どこにじゃ?』
「ここ、ここら変が・・」茶色く変色した部分を指差す。
『・・・・・。ほう言やほうやけど〜これぐれぇーならええじゃろ。葉っぱがくしゃくしゃって、なっとらんでな』
「そんなもんですかねぇーー」
『あめぇーさんは、どんだけ採りゃー気が済むじゃ。4っつめまで採れりゃー良しとしないかん。5段も6段もは欲じゃうぇー』
呆れた顔をして、おじさんは首を振りながら笑った。
『こんなら〜上出来じゃうぇー』

それから小一時間ほどゴーヤ、ナス、パプリカなどを見て周りながらの畑談議。
他所の畑の状況や昔の作り方、近辺で流行っている野菜、隣近所の噂など盛りだくさんの話を聞かせてもらえる。忙しい畑仕事を中断しても聞きたい、楽しい時間。

『そう言やぁーおめぇーさん、家の前で鉢でなんか植えとったな。ありゃーなんじぇー』
「あっ!あれはミニトマトです」
トマコン用のミニトマトを、じ*と一緒に見て〜なんで地植えせんのやろーと二人で疑問に思ったらしい。
休憩の意もあり、一緒に家に戻って見ることにした。

「これですよねーーー。これは、ちょっと試しにプランターに植えてみたんです」
トマコンと言ってみたところで解かってもらえるとは思えない、時間を掛け説明しても納得させる自信もない。興味本位と言ったほうが話が早い。

『とまとあぺどれ〜。これは、かんしょう・よおー、みにとまとで・・・・』横に差してあった名札を、目をおもいっきり細めながら読む、おじさん。
うん?、アペドレー?。うん、なんだぁそれー?何度も読んだ訳ではないが一度は読んだこともあり、そんな言葉は無かったと思う。

「あははは・・だめですよ〜右から読んじゃ、左から読まんと・・・」
『おっ!そうか、そうじゃったなぁーー、あははは・・・。れっど・ぺ・あ・トマト、なるほどなぁー』

日に焼けた真っ黒い顔に深く刻まれた皺を寄せ、苦笑いする、おじさんの顔。


遠くに、この世を去ったオヤジを思い出した。


画像1:本日収穫分(きゅうり省く)
箱の左に見えるのがトマコン収穫。レッド2個、イエロー3個
画像2:サンチェ間引き(食べてもらえない、捨てる運命 (××)
画像3:鹿ケ谷南瓜(大きくなってきたよ〜〜ん)

[トマコン合計収穫数]
@レッドペア・・6個
Aイエローペア・・8個
Cミニキャロル・・0個

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家庭菜園してます。
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