2005/05/29 (日)
昨日一日で地表の温度をどれだけ上げたのだろう、陽射しは弱いが暑い朝だ。
久しぶりに探検隊2号を連れ、朝の散歩に出かける。まずは第二畑に植えた、さつまいもの様子見。 さつまいもは今年で2回目の経験。ツルが延び狭い畑では、あまりに場所が勿体無く作るのを控えていたが、今年は第二畑が思わぬキッカケで借りられることになり早速の挑戦。
植えてから2時間も経たず、へなへな〜っと萎れてしまうイモツル。これでホントに大丈夫?って思ってしまうほどの萎れ方。 普通の野菜なら間違いなく枯れてしまったと思うところだが、これからがサツマイモの強いところ。 “少し枯れ気味の苗を植えたほうがええよ、あんまり水吸わせたらいかんでねーー。肥えも、ちょっとでええよー”誰もが口を揃えて教えてくれるサツマイモの作り方。
それにしても、ここまで見事に萎れることも無いもんだ。少しは植えた身にもなって元気のあるところを見せてくれたって良いのに。ブツブツと呟きながら萎れた葉っぱを1本づつ触ってみる。 絶対絶命の苦境、後が無いギリギリの環境、そこから這い上がるサツマイモの生命力。う〜〜ん、なんとなくNHKスペシャルが好きそうな、取り上げられそうな話題。
探検隊2号の散歩帰り、畑仲間のおじさんに出会う。『おぉー、どこ行ってきたじゃ』犬の散歩に決まってるやん、見たら解かりそうなもの。 『今日は、畑はやらんのけぇー?』「やりますよ、もちろん。あっ!そう言えば〜ゴーヤの苗要りません?」 『なんじぇー、余っとるんけぇー』「ええー種播いたんですけど〜6本も要らないんで、2本だけですけど」 『ほらぁーちょうどええうぇー2本ぐれーがええうぇー』「解かりました、後から持って来ますわ」『おー』 ソラマメと大根後に植える予定のきゅうり、れいし、十六ささげ、どう頑張っても植えきれない。 “ゴーヤ2本にもれなく〜ししとうもついてます”捨てるに捨てきれなくて困っていた、シシトウの苗も3本一緒に持っていくことにした。シシトウだけなら貰ってもらえそうにないが、ゴーヤと一緒なら受け取らざるを得ない。(ぐふふふ・・我ながら名案)
苗を持って行ったついでに、3人でしばし菜園談義。メロン、かぼちゃに始まりピーマン、サツマイモ、そして最後は落語の落ちの様に決まって、じじ畑の話。 『なんでじゃろー?』「どうしてですかねー?」《解からんでねー》 時々信じられないような怪奇現象が起きる、じじ菜園。ほぼ3人で代わる代わる見てはいるのだが、それでも起きてしまう。奇奇怪怪の畑。年中、話題は尽きない我々の溜まり場。
『そういやーおみゃーさん、牛糞使っとるけぇー』「ええ、使ってますよ」 『どこで買っちょるじゃ?』「カーマとかで・・」 『じゃろぉーなぁー。せーきん、みんな牛舎で買ってくるじゃと、今日行ってみーせんけー』「へぇ〜ホントですかぁー。良いですね、行きましょうか」 『おぅーほんなら、昼過ぎに行くじゃか』「はい、おじいさんにも声掛けてみます」『おー』
「牛糞買いに一緒に行くんですけど、どうです?」『わしゃー、そんなもん要らんうぇー、いけせんじゃわ』 あっさりと断られるが、そんな事は慣れっこ。
昼過ぎ、白いカローラバンが庭先に到着。あっ!来た来た動く家庭菜園。さすがに牛糞を積むという目的がある為か、七つ道具は綺麗に片付けられている。 「遠いんですかねー牛舎」『おー、ちょっとあるなー』オジサンが運転するカローラバンは後ろの座席におばさんを乗せ動き出した。車中では牛糞の効果、効能で話が盛り上がったことは言うまでも無い。
『おーついたじょ』「えっ?!もう?」『ほーじゃ、そこじゃうぇー』車に乗ってものの15分。全然遠くないしー、こんな所に牛舎ってあったっけ?車が角を曲がると、目の前に牛舎が並ぶ。うわーホントだ。(こんなに近くに牛舎?そんな田舎じゃ無い筈なのに。ブーブーブー・・・あっ!違ったモウモウモウ・・・)
“伝染病予防につき見学、立ち入りは出来ません。堆肥ご利用の方はあちらへどうぞ”「あっちみたいですねー、かんばんに書いたります」 “堆肥ご利用の方、駐車場。堆肥場はこちら”「ここです、ここ行きましょうかー」
「うわぁ〜いるいる。これは乳牛ですねー」『ほーじゃな、ホルスタインじゃな』(げっ!こっちが解かりやすく乳牛て言ったのに・・もう。なんちゅうオヤジじゃ!) 乳牛はざっと数えても30頭は居そう。牛乳搾り用に設備も完備されいている。「すごいなー初めて見た。写真撮っとこ」パシャ。『おみゃーさんも、変わっとるうぇー』
奥へ入ると、5mほどの幅で長さ20mほどもあるクレーンの下に堆肥化しつつある牛糞が綺麗に台形に積まれている。 「すご〜〜〜い、これみんな牛糞?ひぇっ〜〜!」 お目当ての牛糞堆肥は、その反対側に高さ2.5mの山に積まれてあった。近くにはスコップ、円筒の筒、かなり大きめな土嚢袋や紐、運搬用の台車もある。壁には饅頭の空き箱だろうか、小学校の工作で作った様な貯金箱のようにコイン用の切込みが開けられた箱が備え付けられている。
“牛糞堆肥、袋1杯¥200軽トラック1杯¥2000。無人の場合はここにお金を入れてください”とても上手いとは言えない文字がマジックで書かれてある。 「誰も居ないみたいですね」『ほうじゃ、朝しか来んらしいうぇー』
二袋づつギッシリ詰めた牛糞堆肥 それぞれが牛糞の使い方を思い巡らしているのだろう、帰りの車中は終始無言のまま。
野菜は好きなのかなぁー、むせ返るような匂いと共に3人の顔は満足げにほころんで見えた。
画像1:乳牛(なんで、そんなもの持ってく?変な人間って顔してたような) 画像2:袋詰めするオジサンの図 画像3:持ち返った牛糞2袋(たぶん60kは超える)
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