葬儀
2005/04/08 (金)

harenotikumori.gif 葬儀の今日 私は親類での出席も同業衆の手伝いも一気にやらなければならない。
勿論 家内も同じ、いやそれ以上に忙しない状況だろうと思う。
朝7時までに仕事の段取りを整えて、いつもより早く来たスタッフに予定を報告してから、見送りもせず自治会場に向かい、揚げの仕込みの段取りをする。
今回初の試みで釣り仲間で豆腐やを営むH氏が丹精込めて作った揚げ72枚を精進料理のメインディッシュ「揚げの炊き込み」に仕上げるのが私の仕事。
他には4升×2の炊飯器の水加減である。
この時期 特に4月上旬の天気には気を配る、ほとんどのお米は生産業者「同業衆」が持ち寄った5合×19人分のお米は精米してからの日数も保存方法もまちまちであって、ただ言える事は刈り取りしてから半年を経過している、ただそれだけである。
しかも湿度は上がって水加減の一番難しい頃と思う、しかも寝かさず「前の晩からのタイマー仕掛け」に即炊き出す、1発勝負は私だけが知る脂汗が出る瞬間でもある。

先ず手のひらを水平に平たく拡げて手の甲を直角ににして水位を計り中指と薬指が見え隠れする 言わば、市販されているお米の水加減より幾分減らして「単位にして0.5_単位」で微妙な加減を施し、コレで行こう と判断する。
幾分硬めでそれでふっくらさせる、繊細なさを求めてての水加減は断腸の思いでガスの点火と共に祈るしかなかった。

H氏が持って来た揚げは、いつも通り分厚い美味しそうな物、此奴を軽く炙って醤油をかけて頂く酒の肴は天下一品だが果たして出汁を吸ってくれるか否かは今回心配の種であった。
大鍋で脂抜きをしてから出汁「昆布・煮干し・後はヒ・ミ・ツ」に粗目・醤油・味醂・酒でだし汁を作り、じっくりじっくり・・・煮込むのである。
照りは粗目と味醂で決まる、味は醤油と粗目で決まる、微妙に毎回違う味だが、仕上がり間近な1枚を取り出して各自に味見をして頂くと「おう いつもの味じゃ、流石じゃ」と誉めの言葉が出るが、今日は一段と美味い、その味の分かるヤツはどうも居ないようだ、満足である、イヤー満足である。

時間を見れば出棺2時間前、慌てて家内と一緒に着替えに帰り、今度は親族として切り替えて出席、肱に付き始めて今日の御飯を味わう 出来映えは良し 言う事無し 揚げも美味い 言う事無し 家内の喪服も久しぶりに見る「馬子にも衣装か?」

予定通り2時に出棺、そのまま桜谷霊園で1時間30分待ちで収骨を行い帰途。
しきたりで同業衆での仕上げで役目は終わる。
今日は呼ばれんだろう 何たって親類の端くれだから、とたかをくくっていたが 矢張り呼ばれる 長老が「オイッ 頼むぞ」何の意味かは分かる、印綬を務めろ と言う意味である。
門前の小僧、習わぬ経を読む である、二十歳そこそこから私の親爺に尻を叩かれながら嫌々習ったお経だが何時も白羽の矢は私に向けられているようだ。

しかし御念が入れれば私の下手なお経でも成仏出来ればと、務めさせて頂き、無事 葬儀を終えて安堵をつく。

人や先 我や先・・・ただ白骨のみ残りし・・・あはれと言えば・・・

i0
 
オラん家の野良日記
[ホームに戻る] [今日の日記へ] [この日の日記へ]