はざま
2008/09/22 (月)

kumori.gif 昨日が日曜日、明日は秋分の日。お休みのはざまで、ちょっぴり静かな月曜日。昨夜はたっぷり雨が降った。気温も肌寒いぐらいで、半袖だけでは少し心もとない。夏休みと紅葉のシーズンの、今はちょうど狭間の季節。
こんなときは、じっくりと日々の仕事や生活を考え直すよい機会。
世間は汚染米・事故米の後遺症で騒然となっている。お米だけではなく、米粉やでんぷんとして、和菓子屋さんに流通していたり、病院や学校給食にも波及している。そこへきて中国産のメラミンの入った牛乳が追加されて、まさに食の安全が揺らいでいる。
原産地の表示といっても、でんぷんだの牛乳のように加工材料までは原産地の表示がないのだから、消費者は見分けようもない。
しいて言えば、安いものには安いだけの理由があるということだ。それとても、全部に当てはまるわけでなし、今後はいろいろな成分表示やら原材料表示が厳しくなるのは必須。
でも、根本は、日本の食料自給率をもっと上げることにあるんじゃないのかな。輸入品は入国の際の水際で検査を厳しくすることも必要。
あとは中国に対して、食の安全を守る教育をしないと、いつまでたっても不安はぬぐえない。いまや中国からの輸入なしでは世界経済はなりたっていかれないほどになっているのだから。
個人的には、やはり中国産のうなぎも鶏肉も食べる気になれないので、買わないけれど、大豆や小麦のようなものは、日本国内産だけでは豆腐一丁1万円なんてことになりかねない。
食の安全基準については、国際標準を作ってしっかり守らせる仕組みが大事だとおもうのだけれど。
そこへいくと、日本酒は何と厳しい基準が多いことか。歴史が長いということは、それだけ厳しい時代を乗り越えてきているということだ。ワインや焼酎は、歴史が短いだけ、国内の基準はやわらかだ。焼酎の5年ものは極端にいうと、半分5年ものなら、あとの半分は1年ものでも2年ものでもいいという。日本酒は秘蔵酒という表示は全量5年以上寝かしたものをいう。
ワインも、あの赤ワインブームの時、ワインメーカーは葡萄の木を植えて収穫を待つなどという悠長なことはしていられないから、葡萄液を中国から大量に買い付けていた。
そこへいくと日本酒は、日本の米をつかわないことには、日本酒になりえないから、原価はどうやっても安くはならない。安いパック酒をつくるメーカーは、大変な苦労をするか、どこかから安い商社米を仕入れることになるわけで、そうすると、今度のような事故米が混入している可能性だって出てくるわけで・・・今回は清酒メーカーは美少年だけだったのは、不幸中の幸い。
やはり、安いものには理由があるのです。正直に高いお米を買って、まじめに人間が冬の寒い中で酒造りをしている、うちのような小さな酒蔵にとっては、まったく悲しい話でしかない。県内産の米を使って、苦労して命の一滴を醸している。この一滴のおいしさ、安全さを、どう伝えたらいいのか。
自分たちで声高らかに安全だ、安心して、と言っても、手前味噌でしかないわけで、かといって行政側は今回の農水省にしても、事故米の管理が悪いからこんなひどい結果になってしまったのだから、行政がいくら安全だといっても、消費者は納得しない。
まさに食の安全はぐらぐらゆれて、自給自足でもしないかぎり、本当の安全は手に入らない時代になってしまいそう・・・

 
吟と醸のブルーベリー畑
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