2004/09/07 (火)
タイトルが非常におこがましいが、掲示板で結構有意義な内容でタマネギの話題がいくつかあったのでこっちで保存。自分でもまとめるってことしてないからね。繰り返し見ることになった方はすみません。><ちょっと補足してるから許して〜。 尚、タマネギほど地域によって播種・定植時期や栽培法が異なる作物も珍しいと思っていますが、マニュアル本などではその点が触れられていません。ぶな菜園は埼玉の三郷・八潮なので所謂中間地でしょうか。それでも冬期には霜柱も立てば、半日地面が凍りつくこともあります。エリア格差を考慮して参考にしていただければと思います。
【Q;箱播きと直播きではどっちがいい?】 メリット デメリット 箱播き 少量でも管理し易い。 徒長しやすい。 直播き 丈夫な苗が仕上がる。 虫害など多い。
昨年私はチャージで大型ポットに30粒ずつくらい播種してベランダで育苗しました。多少徒長しましたが苗として充分に使えて→http://www.pixino.com/diary/buna/200311/02.html 春には250〜300g程度の収穫がありました。 昨年の直播き分は、播種直後の度重なる豪雨で品質不良&雑草に埋もれた〜ので直播き分の苗はほとんど使い物になりませんでした。
双方メリットデメリットあるのでどちらが良いかというのはそれぞれの方の環境に大きく左右されるでしょう。少ない栽培なら箱播きも良いでしょう。その場合は水のやり過ぎに注意することとしっかり日光に当てることでしょうか。栽培量が多いなら断然直播きですね。
【播種・育苗の注意点】播種手順は9/6の日記を参照。 ・タマネギ(ネギ類全般)は過湿に弱いので排水が良好な状態の畝作り。 ・ネキリムシやヨトウムシの虫害に遭いやすい。オルトランやネキリトンなどの薬剤を使用するか、出来れば苗床を予め太陽熱消毒(透明ポリで畝を覆って1〜2ヶ月放置)すると望ましい。こうすると害虫や雑草の種が死滅する。 参照→太陽熱・石灰窒素法(石灰窒素と太陽熱消毒の併用)http://www009.upp.so-net.ne.jp/sekititu/taiyo/
・苗床に施肥する場合は2週間前までに。間に合わない時には無肥料で播種して追肥でまかなうほうが良い。タマネギに限らずに肥料分が多い土壌では発芽率が激減する。 ・播種後の覆土は篩いなどを使用して均等な厚さで覆土するほうが発芽揃いが良い。(ほうれん草なども同じ) ・発芽までは乾かさない。籾殻、遮光シート、新聞紙などの活用。発芽が始まったらすぐに被覆は取り除かないと徒長する。初期の頃は雨に弱いので寒冷紗などで覆って直接雨に叩かれないようにする。直接雨に叩かれると泥はねで病気が出たりしやすい。
・こまめに雑草を抜かないと栄養を取られる。 ・本葉2〜3枚程度で株間を1〜2cmとなるように間引く。 ・時折潅水がてら薄い液肥を散布すると生育が良くなる。 ・播種後一ヶ月以降になる育苗中期には潅水を控えて、徒長の無いしまりのよい苗に仕立てる。
うち(埼玉八潮)ではチャージは9/5〜10日の間、その他の品種は9/15〜20日の間に天候の具合をみて播種。播種後2〜3日して弱い雨が降るとベター。25日頃だと秋に低温の年では初霜までに定植サイズにならない可能性あり。 定植は根元の太さ5ミリくらいのサイズが良さそう。それ以上だと塔立ちする確率が高くなり、それ以下の幼苗だと埼玉辺りでは霜で枯れたり根が浮かされて結果的に玉が小さくなったりする。(この辺りは地域性が大きい。香川のヒゲ親爺さんちでは爪楊枝の太さの苗が一番いいらしい。温暖な香川ならではの話だと思う。)地域性についてはこちらが詳しい→http://www.sumitomo-chem.co.jp/agriforum/03hiroba_sub/0303yasai_zukuri_sub/04onion.html 秋播きだけでも全国的に8/10〜10/20までの播種時期のばらつきがあるそうです。(^^ゞ
【定植について】 もう断然、穴あきの黒マルチ使用です。埼玉では霜柱で根が浮かされることがあるので効果大です。さらに雑草防除、冬季の乾燥防止などにより、マルチなしよりも大玉が望めます。マルチをすると保存性が劣るという人もいますが、私はその点を特に感じません。 厳冬期のみサンサンネットのトンネル掛けも玉太りには有効でした。春先は日照をかせぐ意味でサンサンネットすら外します。ただしこの方法は塔立ちする確率は上がりますので悪しからず。
【根切りは有効か?】 香川のヒゲ親爺さんは定植時に根切りを奨励します。刺激を受けたタマネギが太くて強い根を出すと言うのです。岡山のみのる産業ではタマネギ苗の自動定植機を開発しているが、その説明でも根切り・葉先切りをしている。 私の中ではまだ結論は出ていない。というか定植の頃の埼玉では霜や寒さがきついこともあるし、逆に晴れた日には温度が上がるなど気温の変化が激しい時でもある。温暖な地域では根切りしても活着に問題なないのでしょうが、埼玉(もっと寒い地方も含む)ではまず活着させるのが先決だろうから根切りにはちょいと懐疑的です。苗床から出来るだけ根を切らずに掘り出して定植するほうが活着とその後の生育が良いからです。(根切りについてはまだ対照実験はしていない。)
【タマネギは極端に日照を好む】 意外と知られて無い事実かな!? 一昨年、タマネギ畝に隣接して越冬栽培のからし菜が1mほどの背丈になっていました。当然日時計よろしくからし菜の陰がタマネギ畝にも丸く動きます。驚いたことにからし菜の陰(と言っても一日のうちほんの1〜2時間くらい?)が出来るタマネギがそうでないものに較べて半分以下の大きさだったのです。「ネギ類は自分の影すら嫌う」と言われる所以かも? 私は15×15cm、5条の黒マルチ(ほうれん草用を流用)してますが、気分的には20×20のサイズがあればそっちの方がいいかもしれないと思っています。よく使う品種で、猩々赤、アース、チャージは15×15でも問題ないと感じてますが、アトンはもっとも日照を好む印象ですので今年は株間をもっと広げようと思います。(135幅で、15×15、7条の黒マルチを入手したのでそれを使って条間30cmの3条植えにしようかと)
【追肥について】 京都のblackpigさん(学生さん)の技官さんの追肥例がとても参考になります。 尚、ソニックよりもチャージのほうがさらに早生です。 *********以下blackpig さんの掲示板より抜粋************ 早生のたまねぎ"ソニック"の作業暦です。
畝幅140cm 4条植え 株間 約15cm
9/16播種 9/21発芽 10/12定植 (元肥 スミカエース2号(住友化学)NPK12-14-10 80kg/10a) 1/5,6中耕・ばい土 1/21追肥・中耕 リン硝安カリ10kg/10a 2/13追肥・中耕 リン硝安カリ10kg/10a 5/7収穫
規格 3L 400g↑ 2L 330-400g L 260-330g M 210-260g S 170-210g 2S 120-170g 3S 120g↓
今年は3Lが一番多かったそうです。 薬散はあまり参考にならないということで書いていません。 *********引用終わり****************** 驚くのは定植がかなり早い。まさに爪楊枝苗でしょう。(埼玉でこのサイズを定植すると冬季に消えてしまう。)しかも化成肥料ばかりだし。尚、追肥は速効性のあるもので、10kg/10aというのは1uあたり10gということです。大雑把に言って畝1mあたり10gと思っても良いでしょう。★先のカキコで一桁数字を間違えていました。皆様すみません。(^−^;やっぱ少量の肥料を回数に分けて施肥するのがよろしいようで。ヒラニヒラニ〜。 関東では1月初め、2月初め、3月初め(3月は様子を見て)に追肥しても良いと思います。チャージでも5月10日前後が収穫時期になるからです。私はこれまで過燐酸石灰で追肥してましたが、試しに今度はリン硝安カリ使ってみようかな。(^^*)
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