創作童話2
2003/12/03 (水)

hare.gif 森の樹々〜風の歌・2 97/09/10

 彼らの森に、風の子ふうたくんが訪れてから数年が経ちました

 もう、バオバブぼうやが話が出来る迄に成長していました。杉くん、桂くん、柊くんは、純真なバオバブぼうやに、いつも慰められています。


バオバブ;柊おじちゃん?どうしておじちゃんの葉っぱは、とげとげなの?

杉;ぼうや、無理を言っちゃいかんよ。なんたって、神様が私達をそんな風に作って下さったのだから。

桂;もしかしたら、柊くん?神様にもう一度お願いしたら、葉っぱを丸くしてもらえるかもなぁ。

柊;ぼうや。私はねぇ。昔っから堅苦しい事ばかり言っていたから、神様が戒めを下さったんだろうよ。それに私のような臆病者は、こうやってとげを出しておかないと不安でしょうがないのさ。

バオバブ;でもでも、柊おじちゃん。おじちゃんは、いつも可愛い白い花を咲かせて、みんなを楽しませてくれるじゃない。おじちゃんって、いい人だよね。


 その言葉を聞いた柊は、自分のような者でも、誰かの心を慰める事が出来るのだと嬉しくなって、自分を作ってくれた神様に静かに感謝の祈りを捧げました。
それからというもの柊は、花が咲くと同時に香しいかおりでみんなを一層楽しませるようになりました。

 柊の子孫には、柊木犀(ひいらぎもくせい)と言う名の、やや丸い葉っぱとさらに香しい花を咲かせるもの達も現れてきました。花の季節になると、旅人がうっとりとして足を休める森となりました。

 実は、柊は丸い葉っぱの金木犀(きんもくせい)とも親戚関係にあったのでした。〜おしまい〜

 
ぶな菜園日記
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