早い毎日
2004/04/30 (金)

kumori.gif 朝研究室に来ていつもどおり水遣り。

うんうん、どの子も順調。ピッコロシシトウも発芽し始めたし
ものすごくつるが伸びて大きくなるというPink Bananaも発芽し始めた。

温度もこれまでの数日ほど寒くはない。
もう寒くなることはないかな。

ポットのほうは順調なんだけど、セルのタマリロと
魁ピーマンはなかなか芽を出してくれない。
うーんどうしてだろう。

実験用挿し木トマトは液肥の効果でグンと大きくなった。液肥は効きが早い。


実験(トマトの果実培養)に必要な器具のリストアップに取り掛かる。
カタログには山のように器具が並んでいて僕のような
優柔不断な人間にはつらい。

培地や消毒用の薬品も選んだりしていると午前中済んでしまった。

昼からは講義。
食後の講義は眠い。起きていなければと思うのだけれど
気がついたら寝ている。
相変わらず集中力がない。

講義後はゴールデンウィーク中にまく肥料の計画を見直す。
先日技官さんに頂いたアドバイスを考慮して。

ある程度仕上げて肥料置き場にどんな種類の肥料があるかチェックしに行く。

これまで肥料といえば堆肥と鶏糞と牛糞と油粕と石灰、ていう世界だった。
いやーあるあるここにあるだけで20種類くらい。

名称と成分比をメモする。
ほとんどが化成肥料。

最近は環境問題や健康の面から化学肥料は嫌われていて、
僕も実はあまりいい印象は抱いていなかった。

けれど、実際色々栽培してみるようになって
化学肥料は僕たちの食糧を支える上でなくては
ならないものなんだと思うようになった。

確かに問題は多いし、化学肥料を礼賛するつもりはさらさらない。
けれど、作る側に立ってみれば、
成分がわかっていてしかも効きが早いので
作物の状況に応じて適切に使うことができるし、
安価で簡単に手に入る。

有機肥料はすぐに作物の栄養になるわけではないし、
すべてが養分ではないのでかなりの量が必要になる。

厳密には中にどんな成分が入っているかわからないので、作物に有害なこともある。
生ごみ堆肥なんかは、きちんと発酵していなければ
捨てた野菜のせいで連作障害とかがでたりもするらしい。

農家の人にとっては相当なコストがかかることになる。
それで無化学肥料栽培の肩書きはつくけれど、
必ずしもおいしくなるとは限らない。

多くの消費者は値段を重視する。高い野菜は買わない。
売れなければ農家の人は生きていけない。

僕たち消費者は贅沢だ。
自分で生きる糧である食糧を作ってもいないのに、
文句だけは言う。

安くておいしくて見栄えがよくて安全で。

そんなの不可能だ。

確かにこれをどう追求するのが
生産者たる農家の務めであり腕の見せ所だろう。

けれど、今の世の中は
それを実現したときに農家の人たちが、自己の達成感だけでなく、
経済的にも報われるような世の中になっているだろうか?

今の世の中ではかなり「農」は軽視されていると思う。

安かろう悪かろうが普通。

安心や味を求めるならそれなりの対価を僕たちは
払うべきだろう。

自分の時間を割いて自分で作るとか、
これも自分の時間をかけて信頼できる農家さんを見つけ、
交流し、その方から購入するとか、
高いお金を払って購入するとか。



作物を人間にたとえると、化学肥料はサプリメントや薬の
ようなものだと思う。

本来は、毎日いろんな食材を食べ、色々な栄養素を
少しずつ摂取して暮らしていくのがいい。

でも今の世の中なかなかそうは行かなくなっている。
いや、僕たち自らがそうしていない、ともいえるのだけれど。

だから、足りない栄養素を栄養素そのものである
サプリメントで補う。
病気になったらすぐに効く薬を飲む。

人の自然治癒力を生かした漢方や食事・生活療法が
本当はいいのだろうけれど、このせっかちな世の中では
なかなかそれができない。

作物と化学肥料の関係も、こんな風なんじゃないかな。


ただそれであきらめるのはよくない。
化学肥料だっていつかは枯渇するんだ。

僕たちが生きていくためには、
限られた物質をいかにこの地球で効率よく
サイクルしていくが大切になってくる。

エネルギーのインプットは太陽の光しかないんだから。

生物による窒素固定や生ごみ等の堆肥化などを
少しずつすすめ、限られた化学肥料を大切に使いながら
バランスのよい農業の形を探っていければ
いいんじゃないかと思う。


技官さんに緩効性肥料のことなど
肥料の種類について少し教えていただく。


なんてしているともう夜。
勉強の時間が・・・なかなか論文が読めない。
うーん。

■5/2 実験用トマトの移植
■5/3 圃場への施肥

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blackpigのnojo作業メモ
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