どんより曇り空

その年は6月なのに蒸し暑い日がずっと続いていた

当時エアコンなどはなく扇風機と団扇で眠れぬ夜を何日も過ごし、多分私が無事に出産を終えたと聞いてほっとしたのか一度往診を、と本人が望んだそうだ
かかりつけの医師の診察を受けて薬を出してもらい、ちょうど1日分飲んだところで心筋梗塞を起こした　
これを　とても言い出しにくそうに入院中の私に親戚のおばちゃんが「シゲちゃんがもうあかんのやわ」と教えてくれた

私が1歳の時　発症した病で2度の大手術を受けかろうじて貰った命だったと思う

母の従弟が名古屋で病院をしていて　そこで手術し、その後13.4年の入院生活を送り退院してきた
肺活量が少なくても何とか日常生活を送り仕事も出来ていたから、このころが父にとっては一番充実した楽しい時期だったのかもしれない　
入院中に中日ファンばかりの中でアンチ中日＝巨人ファンになったそうで、父と二人で中日球場へ巨人の応援に行ったのが私の中では一番の思い出になっている

心筋梗塞を起こした時は従弟の医師も健在で、診にきてくれて　唇にチアノーゼが出ているから・・と、肺の小さい分心臓に負担がかかり心筋梗塞を起こしやすい　と引導を渡されたと母は言い　病院を抜け出して会いに家に戻った私はまだ息のあった父とそこで最後の別れをした

今日は父の命日　あれからもう38年が経った