2016/04/17 (日)
* 我が家の婆様よりふたつ年長だったご近所のカネさんが3週間の患いで逝かれました 最近まで手押し車を押してゆっくりゆっくり 店と自宅の約500メートルを往復していた後ろ姿を思い浮かべています
今日の院家さんのお話では、カネさんのご主人、陸軍上等兵殿は終戦の直前激戦のサイパン島で玉砕されたそうで 残されたカネさんは薬販売の資格をとり家業の薬局を一人で切り盛りして乳飲み子を育て上げた、と
高齢になってもカネさんは目も耳もアタマも達者で、ただ少し手が不自由(震える)だっただけで、 味付けも「ハッキリした濃い味好み」だったそうで 老人だから薄味がよい、というのは偏見だと娘さんが言うのを聞いたことがある
うちの婆様がディサービスにお誘いしたのをたいへん喜ばれ早速手押し車を押してお礼にこられた お帰りになってから「何かいな?」戴いた紙包を開けてみると、手縫いのお手玉が4個 カネさんが震える手で一針づつ縫ったのか 中身はたぶん小豆のようだ
不揃いの縫い目がなんともいえず温かい 物言わぬお手玉がモノを言うているようだ それこそ百歳の仕事、 い〜い手仕事作品を残して 包(かね)さん104歳 堂々の旅立ちです
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(1) カネさん手縫いのお手玉
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