ユスランメの赤に・・・
2009/05/31 (日)

ame.gif * この時期になると、  
坊主頭で色白で笑うと五木ひろしの瞳になった10歳の姜君を思い出す  

もう何十年も前、徒歩15分位の小学校に通っていた      
その門前には同じクラスの姜君の家があった  

同級生同士あまり喧嘩はしなかったんだけれども、  ある日の事、何か気に障ることを言うたらしい  
カバンを掛けた姜君が必死の形相で追いかけてくる  
こちらも一目散に走って逃げる  
我が家に近づいた時、振り返ると姜君がいまいましそうに引き返して行くのが見えた  
  
やれやれ・・・ ふと目をやった所に真っ赤なユスランメ   
一粒をつまんで口に入れた  
すっぱい味がした  

またまたある日の教室で、  
お昼の時間  
前の席の姜君が近くの友達に得意げに喋っている  
「おまえら、俺の父ちゃんの名前知っとうか?」  
彼には豪傑のような名前が自慢やったらしい(^^
皆沈黙  
以前聞いたような気がする私はすかさず、  
「姜水〇天」  
「そや!」  
姜君のとびきりの笑顔がそこにあった  

それからまもなく姜君は突然登校しなくなった  
一家で北朝鮮の帰還船に乗ったことを後で知った    

小学校の同窓会で、今いちばん逢うてみたいのは姜君かな  
「あんたのお父ちゃんの名前、まだ覚えてるよ」  
言うてみたいね、my dear friend!  

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婆誰坂の家庭菜園 和歌山
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