心寒くなる記憶
2004/05/16 (日)

今日、実家へ行っての帰り道、車の中でスマップパワースプラッシュ(ベイFM)を聞いていると草なぎ剛が、読者の投書を読んでいる。「街中で、ストッキングをかぶっているお婆さんに会った。それも強盗のように頭から顔までかぶっている。寒かったんだろうか?」という内容である。吹き出しそうになったのだけれど、フト頭の中から以前の記憶が蘇ってきた。(ここからはちょっとまじめな話です)

東京からの下り電車できれいな赤い花の混じった柄の着物を着ている女性が立っている。着物姿を混んだ電車で見かけることは少ないので、「着物って良いな」くらいの気持ちで視線を下にずらすと、下は絣のモンペである。そして持っているバッグは紙袋のみ。ハンドバッグは女性にとって一つのアクセサリーでもあるので空きのある紙袋を持っていてもハンドバッグを中に入れ込むことはめったにない。髪はザンバラではないものの手入れが行き届いているとはいえない白髪だ。年齢は70歳以上だと見受けられた。

モンペといえば私が連想するのは野良着というよりむしろ戦争中の普段着のイメージなのだ。不釣合いを笑うより前に「もしかしたらこの人は戦争中の記憶を引きずっている人なのかもしれない」と思ったら、どんな経験をしたのだろう、どうして今もこんな格好をするのだろうと、その人の気持ちを想像してみて肌寒い思いになった。

その人が電車から降りるまで何度も視線が行ってしまう自分を抑えることが出来なかった。

 
コンポスタレディの菜園雑記
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